介護がいつか憧れの職業に・・・お笑い芸人ザブングルが見た介護の今

ザブングル、介護現場でのボランティア

謹慎ボランティア、芸人の選択

先日からメディアを騒がせている吉本興業の芸人による闇営業問題。吉本芸人や吉本興業幹部とのトラブルや雇用契約の問題など、話題は本質からどんどん離れていっている印象がありますが、いまだにメディアはこの問題に多くの時間を割いています。

この闇営業問題で謹慎処分を受けているのは吉本興業の芸人だけではなく、ワタナベエンターテインメントに所属する芸人、ザブングルもそのうちの一組でした。

お笑い芸人ザブングルについて

ザブングルと言えば、「悔しいです!」や「カッチカチやぞ!」など、加藤歩の強烈な顔芸を合わせたギャグで一時期はメディアに引っ張りだこでした。二人組のお笑い芸人です。

ザブングル
ザブングル(画像参照:ワタナベエンターテインメント公式サイト)

ザブングルは、ワタナベエンターテインメント所属のお笑いコンビ1999年9月結成。名古屋NSC5期生で、以前は別々のコンビで名古屋吉本に所属していた。

wikipediaより
https://www.youtube.com/watch?v=QjIxKd9lzqY

ワタナベエンターテインメントはこの問題発覚後にすぐに謹慎処分を発表しました。この対応の早さは問題をずるずると長引かせて次々に新たな問題を掘り起こす結果となった吉本興業と比較すると、会社としての危機管理体制の好例だったのではないでしょうか。

その対応のひとつとして、ワタナベエンターテインメント側は謹慎期間中はボランティア活動を行うことを発表しています。

 お笑い芸人「闇営業」問題で、ワタナベエンターテインメントは1日、コンビ「ザブングル」の松尾陽介さん(42)と加藤歩さん(44)の謹慎期間を8月末までとすると発表した。同社は「2人が反省し謹慎中はボランティア活動をすると申し出ていることなどを勘案した」と説明している。

47NEWSより

これに対する反応は様々でした。

とくに介護を職業としている人たちからは冷ややかな視線が。

ツイッターなどでもこのような論調が

https://twitter.com/327_2018_19lala/status/1156003187981082630

介護を仕事でしている人もいるのに、謹慎中の処分に介護を使うなというような印象を持っている方も多いようです。

介護をするということであれば世間的な印象ももちろんいいでしょう。人手が不足している場所で、助けを求めている人の力になることにも好印象を感じるかと思います。

ただ、その一方、介護は罪滅ぼしか?介護は罰ゲームか?と介護を仕事にしている人から冷ややかな視線を向けられることもあるようです。

これには介護を勉強するといって雲隠れした元アイドルなどの影響もあり、不快感を感じている人も多いのでしょう。

謹慎芸人ザブングルが見た介護施設

現在、ザブングルの二人は熊本にある介護施設でボランティア活動を行っているということですが、その様子について、介護系メディアがレポートしています。

「とろみ」の重要性に気が付くこと

 介護用の飲み物には「とろみ」付けというのがあります。とろみを付けることで誤って気管に入ってしまうこと(誤嚥)を防ぐのですが、この「とろみ」の付け方もひとりひとり異なり、それも覚えなければならないことのひとつです。
僕はご利用者のみなさん全員分の『とろみ』はもう完璧です。『とろみが完璧』と人に言って、そのすごさが伝わるかわからないですけど……。強くとろみをつける人、逆に薄っすらでいい人、それぞれ分量が違います。これを完璧にできると、ご利用者様の方々に感謝もしてもらえますし、嬉しい気持ちになります」(松尾)

最近はとろみがダマになってしまうことって、あまりないと思いますが、それでもとろみ剤を入れる分量などちょっとの違いで大きく変わってしまうので、そういった地味な作業に真剣に取り組んでいる様子が感じられます。


また、現場に入らない時っとわからないことでもあります。

介護の現場では直接介護を行う以外でもバックヤードでの仕事が非常に多いのですが、ボランティアとしてそういった部分でも信頼されている様子が見られます。

そういえば、眼鏡をしていない。松尾は伊達メガネなんですね。きっと。

 そして、世の中では「介護は誰でも出来る仕事」と言う人がいることに対して、お二人は口を揃えて、「全くそんなわけがない」「一度でいいから介護の仕事を実際に体験するべき」と続けます。
 また、人手不足ともしばしば言われる介護職。実際に現場を見た二人は、この事実に力強く嘆いていました。
「実際に介護現場に入って初めて知ったのですが、介護って本当に1日中ビッシリ仕事が詰まっているんです。人手は不足していますが、かといって誰にでもできる仕事ではないんですよね。恥ずかしながら、僕はここに来るまでこういった介護職が抱える問題について、深く考えたことがありませんでした。身をもって知ったことで、これをどうにか広めていかなければならないという問題意識を強くしました」(松尾)
「最近のニュースでは、介護スタッフが介護施設で暴力を振るった、なんて事件もありますよね。ああいった事件を起こす介護職は本当にごくごく一部のケースだと思うのですが、逆に誤解をされやすいこともあると知りました。高齢者の方って自分の体に肘をついただけで、簡単にアザができることもあるらしいんです。そのアザを見たご家族の方が、暴力だと勘違いするケースもあるみたいで」(加藤)

現場にいないとわからない現実も肌で感じることができているようです。

高齢者ですから、ちょっとした圧迫でもすぐに痣ができる。筋肉「カッチカチやぞ」ではないわけですよ。それを知っているだけでも、介護職員の大変さの理解ができたり、虐待などのニュースなどでも見方が違ってくるかもしれません。

「身をもって知ったこと」に問題意識を感じているということで、きっとこの経験は意味の大きなものになったのではないでしょうか。

いつか、介護の仕事が「憧れの職業」に・・・

「介護職の方皆さんそうなのかもしれませんが、今回お世話になっている施設、本当に人のいい方ばかりなんですよ。僕らにも気さくに接してくれて、色んなことを教えてくれて、とにかく感謝です。いきいきと明るく仕事されてますし、こうしたやりがいのある仕事だというイメージも世の中に広がっていくと嬉しいですね」(加藤)
「介護職の方々は、ものすごくレベルの高いことをしているんですよ。体力、考える力、気の遣い方、様々な角度の総合的な能力が必要になってくる仕事です。自分のためじゃなくて、100%他人のためにと思って介護という職業につかれているわけですからね。この仕事が『憧れの職業』になるといいなと思っています。昔、芸人という仕事もなりたい人が少なかったですが、あるときから憧れの職業になって、目指す人も増えました。それと同じように、『なりたい』と思ってもらえる様に、僕達も微力ですが今後も介護に関する情報が世の中に広まっていく様にお手伝いしていきたいと思ってます」(松尾)
「体験すると、間違いなく自分の将来像も考えることになると思います。シンプルに自分の老後をリアルに感じて、“他人事” ではなく“自分事”として捉えられるようになりますし、『少しでも長く元気でいるために、今のうちに運動しておかないと』と思うこともあるかもしれません。そういった『介護を理解する』のための仕組み作りをたくさんの介護に携わる皆様と考えていきたいですし、今後一生のテーマとして関わっていけたら本望です」(松尾)

こういった問題意識を持ち、それを発信していくこと。これは介護という業界の中の人たちだけではできないことです。

介護を外から見て発信してくれる人も必要です

介護を閉鎖的なものにするのではなく、多くの人たちに関心を持ってもらうことを第一に考えていかなければいけません。

介護の仕事の魅力を発信するという介護系メディアもたくさんありますし、介護の人材確保のためにと様々な自治体などでも取り組んでいます。

でも、ひょっとしたらどのようなきっかけであれ、発信力がある人が介護現場で経験したことを通して発信することの方が、より介護を魅力的なものに感じさせるのかもしれません。

この記事に称賛の声が

この記事が発表されて以降、ザブングルと彼らをボランティアとして受け入れた施設には称賛の声が。

介護の分野でも活躍する芸人

EXIT(イグジット)りんたろー

最近テレビで活躍している若手お笑い芸人、EXIT。パリピ、チャラ男のキャラクターでいま最も旬な芸人のひとりです。お後がヒアウィゴー。

そのひとり、りんたろーは老人ホームで介護の仕事を6年間していたという話でした。

介護とチャラ男というギャップがはまっている部分もありますし、介護現場でのエピソードも秀逸です。「ちゃんちゃんこ」のことを「アウター」と言っていたとか。

動画の高齢化社会ネタも面白いです。シニアカー(セニアカー)ネタが伝わっていない印象もありますけど。

レギュラー

吉本興業のレギュラー。レギュラーというよりも「あるある探検隊」の方が印象が強いと思います。

介護職員初任者研修を二人で修了。

介護関連のイベントなどにも登場し、介護ネタであるある探検隊をすることもあり、介護分野でも活躍を広げています。

そのほかにも、「ダンカンバカヤロー」で有名なたけし軍団のダンカンもホームヘルパー2級の資格を持っています。

アイドルから介護を目指す人

モーニング娘を卒業して介護福祉士の資格取得を目指している人もいます。ダイエットに失敗した説とかいろいろあるようですが。

でも、ご利用者さんは喜びますよね。いや、スタッフもか。

福祉への道は逃げ道か

芸能の仕事から福祉の仕事を目指す人はとても多いことがわかります。

芸能人だからということだけではなく、再チャレンジの場として福祉を志す人は多いです。そういった人たちを受け入れていく場であってほしいと思います。自分自身が失敗しているから人に優しくなることもできると思います。

決して福祉は逃げ道ではないので、それを恥じることもないし、それを他人がどうこう言うものでもありません。

多くの人が関心を持ってくれることが大事なんじゃないかなと、感じています。いろんな人が、いろんな視点で見ることで、介護も変わるんじゃないかと、期待しています。

追記:ザブングル活動再開

謹慎していたザブングルが活動再開しました。

ザブングルの松尾(眼鏡の方)はツイッターでもこのようなコメントを発信しており、介護の人材不足を感じたことや、介護の現場の大変さを身にもって感じたようです。

介護職員の能力の高さを非常に評価してくれていて、本当にうれしく思います。

誰にでもできる仕事・外国人やボランティアにやらせればいい仕事といった国会や厚生労働省の評価と、一か月という短い期間ながら実際に現場で体験してきたお笑い芸人の評価。どちらを信用するかといったら、迷わずお笑い芸人の評価を信じますよ。

今後の芸人人生に幸多かれ。