訪問介護ヘルパーにコロナ陽性者対応加算を

ホームヘルパーにコロナ対応加算を

いまだに猛威をふるい続ける新型コロナウイルス

新規感染のピークは過ぎたと専門家は主張しますが、重症者数・死者数ともに上昇している現状。これは感染が高齢者等リスクの高い方にも広まっていることを意味しています。

三回目のワクチン接種を急いでいますが、いずれにしても後手後手になっている印象は否めません。

そして、その影響は介護の現場にも暗い影を落としています

急増する高齢者施設でのクラスター

介護サービス事業所でのクラスターが増えています

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービス、有料老人ホームなど、様々な施設種別でクラスターが発生しています。

厚生労働省の調べでは、一週間の高齢者施設でのクラスター発生件数は2月中旬に急増し、一週間に455件と記録を大幅に更新しています。

これまでのピークが昨年1月の112件だったことを考えると、オミクロン株の感染力がいかに強いかを理解することができるでしょう。

(転載:NHK NEWS WEBより

デイサービスなどの通所系事業所の閉鎖や休業も相次いでいます。一度クラスターとなれば、利用者も利用を敬遠し、場合によっては風評被害を受けることもあります。

通所系サービスやショートステイなどのサービスは新型コロナウイルスの脅威が広がる中、受け皿としての機能を十分発揮できていません。

そして、新型コロナウイルスに感染した要介護者のケアを誰が行うのか。

家族と介護保険の訪問系サービスを中心に対応するしかありません。

しかし、在宅生活を支える頼みの綱であるはずの訪問介護ですが、苦境に立たされています。

訪問介護は今

高齢者の自宅に訪問し身体介護や生活援助といったケアを行う訪問介護サービス。しかし、コロナ禍にあって、ヘルパー事業所は苦境に立たされています。

  • 訪問先に陽性者(無症状を含め)がいる可能性もある。
  • 自分が感染源となってしまう可能性もある。
  • 感染予防のためと事業所から遠出や外食を禁止される。

様々なリスクを冒し、多くの代償を払って、訪問介護という仕事を続けているヘルパーがいます。

それなのに、訪問介護事業所が受け取ることのできる報酬は微々たるものです。

そして、陽性者の訪問を行ったとしても、それに対して制度的なケアが不十分なのが実情です。

コロナ陽性者対応加算創設を

https://twitter.com/yoshidashin123/status/1487340556909158400

SNS等を通じて、コロナ陽性者に対応したヘルパーに加算手当を創設するための署名運動も行われています。今日現在で3.9万人の署名が集まっています。

まだ署名を行っていない方は、オンラインですぐに署名ができますのでぜひクリックしてみてください。

自治体によっては、陽性者・濃厚接触者への訪問・サービスを行った訪問介護事業所が、割増賃金分を補助金として申請できる場合があります。しかし、これも自治体独自の制度なので、すべての事業所が受けられるわけではありません。そして、そのための手続き・審査のハードルも高いのが現実です。

加算として介護報酬上に位置付けることで利用者負担が発生してしまうデメリットがあります。ただ、事業所の負担が少なく、スピーディかつ確実に事業所がお金を受け取る方法であることは間違いありません。


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後手後手の政府対応

いずれにしても、政府の対応は後手後手になっている感を否めません。

ワクチン接種や補助金、介護職員に対する慰労金なども、制度化・実施に時間ばかりを費やし、現場に支援が行き届きません。

令和3年4月の介護報酬改定で、感染予防の消耗品等を購入する費用分として、時限的にコロナ感染対策の0.1%加算が組み込まれました。その後も感染状況は収まらず、補助金制度を作り、10月から翌年1月までは補助金申請を受け付けることになりました。まだ感染状況は収まっていないのにもかかわらず、2月以降の補助金の概要は何も示されていません。

小規模な事業所では補助金の額も微々たるもの。申請に費やす手間や労力を考えれば、このような補助金制度は事業所いじめでしかありません。介護報酬の支払いがある事業所(サービス提供実績のある事業所)に一律給付する形にするなど、いくらでも方法はあったはずです。

政府の対応は現場の状況を全く理解していない、というよりも理解しようとしていません

訪問介護ヘルパーは絶滅危惧種?

そして、最も大きな問題は、訪問介護サービスの担い手が不足していることです。

訪問介護サービスは介護保険制度開始以降、要介護高齢者人口の増加とともに事業所数が増え続けていました。しかし、2018年以降は事業所数は減少に転じています

その最大の要因は、訪問介護の担い手不足です。

募集をしても集まらないホームヘルパー

いま、東京都内でホームヘルパーを募集しても人は集まりません。なぜか。なんと都内ではホームヘルパーの有効求人倍率は15倍。1人の就職希望者に対して、15事業所が奪い合っている構図になっているのです。

それほどまでに、ホームヘルパーを確保することが困難になっているのです。

高齢化するホームヘルパー

さらに、大きな課題となっているのがホームヘルパーの高齢化です。

現在、ホームヘルパーの平均年齢は54.4歳です。

ホームヘルパーの39.2%が60歳以上です。

長く働くことができる仕事と言えば美しく聞こえるのかもしれません。

しかし、現在、現場を支えている多くのヘルパーは近いうちに退職・引退を迎えるでしょう。

まさにホームヘルパーは絶滅危惧種となろうとしているのです。

訪問介護の現場には崩壊の危機が迫っています。


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介護報酬の見直しを

要介護高齢者の生活を基板から支える重要なサービスであり、担い手を確保しなければいけない状況が迫っている。

にもかかわらず、介護報酬上の評価は低いままです。

令和3年の報酬改定でも上乗せされた介護報酬は1訪問あたり、わずか1単位のみ。

これではホームヘルパーとして働くスタッフに十分な待遇を整えることができません。

厚生労働省や財務省はまずこの現実を理解し、実情に合った報酬体系の見直しをするべきでしょう。

コロナ陽性者に対してもサービスを提供することを訪問介護事業所に求めるのであれば、それに見合った手当や加算が受けられなければ、事業所を維持することもできません。

新型コロナ感染の不安を感じて仕事を辞める人、家族の反対にあってホームヘルパーの仕事を辞める人もいます。

早急に報酬の上乗せや訪問介護への就業支援など、訪問介護事業所を支えるための体制整備を行うべきではないでしょうか。

追記:公費による特別手当が決定

訪問介護ヘルパーへの特別手当が決定しました。

“1回のサービスでヘルパーが得る給料と同水準とすることは可能”ということで、訪問一回分相当の給料上乗せができることになりました。

が、それで本当に新型コロナウイルスへの感染という恐怖や不安を緩和できるものとして十分なのか、疑問の余地が残ります。いずれにしても一歩前進ですね。