報酬単価決定!令和3年介護報酬改定概要。デイサービスは?訪問看護は?

令和3年介護報酬改定

令和3年4月、介護報酬改定。

令和3年4月、介護報酬改定が行われます。介護報酬改定と運営基準の見直しで、現場にも大きな影響があると思われます。

定期的に行われている介護報酬の改定ですが、今回の報酬改定の大きなポイントは以下の4つです。

感染症・災害への対策、事業継続

感染症対策などで費用もかかるし、コロナ自粛等で利用者・収益が減るサービスには手厚く報酬を増やします。でも、その代わりに感染症が発生しても事業継続できるように計画を立てましょう、ということですね。

ちなみに、令和3年4月から9月までは新型コロナウイルス対応のため、基本報酬に0.1%が上乗せされます。通所介護は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延べ利用者数が減少した事業所には基本報酬が上乗せされる特例も追加されます。

0.1%基本報酬上乗せ

データベースを利用した科学的介護の導入

CHASE(LIFE)という介護に関するデータベースを生かし、科学的根拠に基づいた介護を提供してくださいというものです。

利用者のデータをLIFEというデータベースに送り、そのフィードバックを生かして、PDCAサイクルを回しながら計画的な介護をしましょう。それによって、施設系・通所系・居住系サービスでは加算がもらえますよというものです。

データベースの導入

リハビリテーションの見直し

介護保険の制度理念である自立支援を推進していくため、リハビリテーションの部分では大きなテコ入れがあります

効果を上げていない、だらだらやっているだけのリハビリテーションはばっさり切り捨てようというかなり強めのメッセージも感じ取れます。

これは以前にも紹介しましたが、リハビリを中心とした訪問看護ステーションに対するかなり強引な単価引き下げです。

訪問看護ステーションから理学療法士や作業療法士のリハビリ専門職を退場させたいという感じでしょうね。

今回の報酬改定で最もダメージを受けた事業形態はリハビリテーションをメインにした訪問看護ステーションと言って間違いないでしょう

署名捺印の廃止、ペーパーレス化

重要事項説明書・契約書・ケアプラン・サービス利用表などへの署名や捺印欄はなくなるようです。ペーパーレス化の流れを加速する改正ですね。どのように同意したことを証明するか、事業所ごとで頭を悩ませる部分が大きいと思います。

それでは、各サービス種別ごとに解説していきたいと思います。

訪問介護

微増。雀の涙にもならない微増。

訪問介護の介護報酬はこのように変わります。

身体介護

提供時間改正前改正後増減
20分~30分249単位250単位+1
30分~1時間395単位396単位+1
1時間~1時間30分577単位579単位+2
以降30分を増すごと+83単位+84単位+1

生活援助

提供時間改正前改正後増減
20分~45分182単位183単位+1
45分以上224単位225単位+1

ほぼほぼ+1単位ずつという、微増。

残念なことに新たに算定できそうな加算もなく、ほぼほぼ訪問介護事業所にとってはうまみのない改定となりました。

ただでさえ人が集まりにくくなっている訪問介護事業所

在宅介護を受けている利用者で新型コロナウイルスの利用者が出たら訪問介護も対応しなきゃいけないし、それだけ重要な役割を担い、リスクを背負っているのに1単位増という。どれだけ訪問介護を軽視すれば気が済むんでしょう、この国は。

認知症専門ケア加算なんてできたようですが、これもいろいろ問題ありそうですね。

https://twitter.com/welconnect/status/1351162710873018376

通所介護(デイサービス)

新型コロナウイルスによる影響

デイサービスは新型コロナウイルスの影響を大きく受けた事業種別のひとつです。

コロナを不安視する利用者の自粛・利用控えによる収益の大幅減少。

消毒や換気なども含めた感染対策に必要な設備投資や労力。

感染者が発生すれば風評被害などによるダメージ。

多くの事業所が新型コロナウイルスの脅威に振り回されたと言っても過言ではないでしょう。

これらの状況を踏まえ、デイサービスの報酬単価はかなり上乗せされています

通常規模型

サービス提供時間7時間以上8時間未満の場合

要介護度改正前改正後増減
要介護1648単位655単位+7
要介護2765単位773単位+8
要介護3887単位896単位+9
要介護41,008単位1,018単位+10
要介護51,130単位1,142単位+12

地域密着型

サービス提供時間7時間以上8時間未満の場合

要介護度改正前改正後増減
要介護1739単位750単位+11
要介護2873単位887単位+14
要介護31,012単位1,028単位+16
要介護41,150単位1,168単位+18
要介護51,288単位1,308単位+20

前回の報酬改定で地域密着型デイサービスに厳しくし過ぎた反動もあったのでしょうか、規模の小さい事業所の方がプラス単位数が大きい改定になりました

比較的、地域密着型にとってはメリットの大きな改定です。ただ、これは規模が小さく経営的な体力の弱い事業所もきちんと感染症対策をして事業を継続してくださいね、というメッセージとも取れます。

利用者数が減った事業所は割増

また、利用者が減ったデイサービス事業所(通常規模もしくは地域密着型)は、以下のような割増が受けられるようになります。

延べ利用者数の減が生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から5%以上減少している場合、3カ月間、基本報酬の3%の加算を行う

延べ利用者数が前年実績に比べて減ったよ、という事業所は基本報酬が3%上乗せできることになりました

また、大規模型の事業所で同様に延べ利用者数が減った事業所は事業所の規模区分を本来の規模区分よりも1つ報酬の高い規模区分で報酬請求していいよというルールが追加されました。

特例措置

なるほど。

でもね。これ、利用者の自己負担も増えるんですよ

利用者側からしたら、デイサービスの利用者数が減ったから割増しで請求されるなんてわけわからないですよね

時間区分水増し請求は廃止される予定ですが、次は規模区分を水増し請求すわけです。本質的には何も変わらない。

利用者の負担が増えるというシステムに問題があったのに、結局何も学習しなかったのか、厚生労働省。

リハビリテーションの拡充

もうひとつ、ポイントとして、リハビリテーション・自立支援を目指していることが挙げられます。

入浴介助加算は、利用者をデイサービスで入浴介助することで得られる報酬です。この入浴介助加算にテコ入れがありました。入浴をデイサービスで行うだけではなく、自宅でのお風呂で入れるようになることを目指せというものです

医師・理学療法士等が自宅の環境を確認し、自宅での入浴を目指すための個別入浴計画を作成することで、上位の加算を取得できるというものです。

入浴介助加算の新加算

その他、個別機能訓練加算や生活機能向上連携加算なども見直しされました。

加算要件などをしっかり確認しておく必要がありますね。

訪問看護

訪問看護については、看護師の訪問に関しては大きな変化はありません。

提供時間改正前改正後増減
30分未満469単位470単位+1
30分~1時間819単位821単位+2
1時間~1時間30分1,122単位1,125単位+3

訪問介護同様、単位の上昇は雀の涙です。

実際にコロナ感染者が発生したら、通所も短期入所も使えなくなるし、最後の頼みの綱は訪問介護・訪問看護などの訪問系サービスになります。最もリスクを背負う訪問系事業所が報酬面で評価されなかったのは理解に苦しみますね

訪問看護ステーションからの理学療法士等派遣は大幅報酬ダウン

さらに訪問看護ステーションに追い打ちになるのは理学療法士等によるリハビリテーションの大幅な報酬カットです。

要介護の方への理学療法士等の訪問

提供時間改正前改正後増減
20分297単位293単位-4
40分594単位586単位-8
60分801単位791単位-10

訪問看護ステーションに在籍する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問は20分で1単位です。2単位もしくは3単位を連続でサービス提供することが多いのですが、60分でサービス提供する場合は10単位もマイナスになります。

かなり大きなマイナスですが、問題は要支援の方へのサービス提供です。

要支援の方への理学療法士等の訪問

提供時間改正前改正後増減
20分287単位283単位-4
40分574単位566単位-8
60分774単位424単位-350

マイナス350単位って、うそでしょ?40分よりも60分の方が安くなるって、そんなバカみたいな話あるの?

実質的にはペナルティのようなものです。

訪問看護のリハビリ減算

介護予防訪問看護での理学療法士等のリハビリテーション訪問は個別的な事情はまったく考慮せず、40分で終了しなければいけないということですね。

訪問リハビリテーションであれば減算されず、訪問看護のリハビリでは50%減とか、どうかしてます。

https://twitter.com/welconnect/status/1351683399031767040

リハビリテーションをメインにしている訪問看護事業所など、事業所によっては大きなダメージを受けるところもあると思います。

居宅介護支援についてはまたあとで詳しくまとめようと思っています。

まとめ

今回の報酬改定の大きなポイントは4つ。

感染症・災害への対策と事業継続

データベースを活用した科学的介護の導入

リハビリテーションの見直し

署名捺印の廃止・ペーパーレス化

大きな変化で、情報を把握するのも大変だと思います。

Q&Aや各市町村での集団指導講習などをもとに適正な運営をしていきましょう。