どう見る?介護サービス情報 読み解く動き広がる
介護サービスを受けようとするとき、知りたいのが介護施設などの質だ。その情報集めにはひと苦労するが、介護サービス情報公表制度をうまく使えば、インターネットで情報を入手できる。膨大な情報だが、読み解く支援が広がり始めた。 (広川一人)
介護サービス情報公表制度は二〇〇六年に始まった。〇七年度までに、訪問介護や有料老人ホームなど介護サービス十三種類の情報が公開されている。先月末で約十一万二千件の情報が登録される予定。〇八年度にはさらに拡充される。
利用は原則インターネット。社団法人シルバーサービス振興会の「介護サービス情報公表支援センター」のホームページから調べたい地域や介護サービスの種類を指定する。
入手できる情報は、所在地など事業所の申告による「基本情報」と都道府県がチェックした「調査情報」の二種。ただ、問題なのはその情報量の多さだ。サービスごとに項目は異なるが、有料老人ホームの基本情報では、A4判二十ページ分もの分量がある。
「量は膨大だが、注目するポイントは限られる」と話すのは、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事の木間昭子さん。昨年まで国民生活センターで高齢者施設契約問題を担当した第一人者だ。
先月、木間さんは公表情報のうち、比較検討のためにチェックする項目をまとめた一覧表を作成した。対象としたのは消費者相談の多い有料老人ホーム、老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、老人保健施設、訪問介護の四サービス。
木間さんによると、「確認するのは費用と質」。「いくらでどんな質のサービスを受けられるか」を知る必要があるからだ。費用では、入居一時金の有無と償却方法、食費や管理費など介護給付以外のランニングコスト、権利料など入居以外の一時金の有無が確認ポイント。
数字に表れにくい介護の質も公表情報から読み取れる。入居系サービスは「退去者数」と「退去先」が参考になる。退去先が「死亡」や「医療機関」以外を理由とした退去者が多いところは、「(その施設で対応できない)介護が必要になり退去を求められた可能性がある」と指摘する。
介護サービス全般に共通して使える質の指標が「前年度職員退職者数」。木間さんは「職員が長続きしない悪い労働環境があると読める。消費者相談の多い事業所は、離職者も多い」と話す。
何かと批判の多い、というか、批判以外の声を聞く機会のほうが限りなく少ない介護サービス情報の公表制度。
ただ、その情報量は膨大で、利用の仕方によっては有意義にも活用できます。
まぁ、読み解き方を教えてもらわない限り何を見ていいのかわからないようでは、
国民のための情報公開という役割は果たしていないと思いますけど。。。
ここでは、施設系サービスのポイントだけでしたが、
もちろん、在宅系サービスでも同じようにチェックポイントは沢山あります。
利用者さんの要介護度別の人数を見て、重度の人が多いのか、それとも軽度の人が多いのかをみることもできます。
離職者数も施設同様重要なポイントですし、ある程度の職員の規模がある事業所のほうが安心と考える人も多いでしょう。
介護サービスを評価するといっても、介護はマッチングだと思うので、
必要としている人に、最適なサービスが行き届くことが第一です。
地域にどんな事業所があって、どんな特色を持っているのか、そして、その人に適した事業所なのか。
そこを見極めることが、ケアマネの腕の見せ所ではないでしょうか。
最近のコメント