介護付き有料老人ホームサニーライフ板橋で暴行事件。過去の事件からの反省は?

サニーライフ板橋での暴行事件、昨年の事件の反省は?

サニーライフ板橋、有料老人ホーム職員が利用者を暴行

椅子から立ち上がろうとした利用者を押し倒す

介護職員による虐待のニュースです。

事件が起きたのは介護付き有料老人ホームサニーライフ板橋。当時介護職員をしていた男性が女性利用者を暴行したというものです。

高齢者介護施設の入居者に暴行を加えてけがをさせたとして、警視庁志村署は8日、施設の元職員で東京都板橋区成増、無職、斉藤学容疑者(27)を傷害容疑で逮捕したと発表した。

 逮捕容疑は2019年10月7日午後7時半ごろ、板橋区西台3の介護付き有料老人ホーム「サニーライフ板橋」で、入居者の70代女性に対し、複数回にわたって椅子に押し倒すなどの暴行を加えて腰の骨を折るなど全治3カ月のけがをさせたとしている。「注意を聞かずに椅子から立ち上がろうとしたので押し倒した」と容疑を認めている。

 同署によると、直後から女性が腰の痛みを訴え、家族が病院に連れて行って骨折が発覚。家族が同月27日に110番した。施設の防犯カメラには、斉藤容疑者が談話コーナーで椅子から立ち上がろうとする女性を押し倒す様子が映っていた。

 同施設の運営会社によると、斉藤容疑者は16年9月から19年10月31日まで同社で勤務し、施設では入居者の生活援助などを担当していた。同社の担当者は「捜査活動に全面的に協力する。再発防止を徹底する」とコメントした。

高齢入居者に暴行、けがさせた疑い 介護施設元職員を逮捕 警視庁 |毎日新聞

容疑者も暴行の事実を認めているようです。

すでに施設を退職しており、現在は無職となっています。

ストレスマネジメントで解決できる問題も

男性介護職員の虐待のニュースの多くはかっとなった衝動を抑えきれずに手が出てしまうという経緯が多いと思われますが、これもそういったパターンと思われます。

こういった暴行事件の多くは、きっとストレスマネジメントの研修を受けることなどで防止できる可能性はあると思われます。

6秒我慢することができれば、きっと。

そこで立ち止まることが許されない環境だったのか、容疑者となった男性のパーソナリティ的な問題があったのか、要員などは十分検証すべきだと思われます。

サニーライフで起きたもう一つの事件

この事件が起きたのが昨年10月。

それから遡ること半年、5月にもサニーライフで事件があり、このブログで紹介しました。

サニーライフ北品川での暴行殺人

男性介護職員が入居者を殺害したという事件です。

サニーライフ北品川で起きたこの事件、非常に注目されました。

・容疑者と被害者は介護方法を巡って口論が度々あった

・事件当日、廊下に横になっている被害者の足を容疑者がつかんで引きずり、居室に引きずり込んだ様子が防犯カメラの映像で確認できる

・しばらくたった後、容疑者が両手を広げた「飛行機ポーズ」で部屋から出てきた様子を防犯カメラがとらえていた

・被害者は亡くなる前日「若い男に腹を蹴られた」と集中治療室で次女に伝えていた

介護付き有料老人ホーム サニーライフ北品川で入居者男性を殺害した容疑、元職員を逮捕! |ヘルパータウン

殺害後の容疑者の異常な行動にも注目が集まりました。

その後、ホームページ上では「安全管理体制の強化について全社をあげて全力で取り組んでいく所存」という表明が掲載されました。

具体的にどのような対策や調査を行ったのかはわかりません。

施設の数も現在124施設、これだけの施設があれば事故や事件が起きる確率は高いとはいえ、半年もたたないうちに重大な事件が起きてしまったことは事実として受け止めなければいけないでしょう。

そして、10月に起きた事件がこのように明るみになったのが1月ということですが、行政への報告などは適切に行われていたのか、隠ぺいなどがなかったのかという部分も気がかりです。

低価格で利用できる介護付き有料老人ホーム

サニーライフの一番の特徴は価格の面でしょう。

今回事件の起きたサニーライフ板橋の月額利用料金は 179,290円(税込) ~ 215,955円(税込)となっています。

東京23区でありながら介護付き有料老人ホームでこの価格というのはやはり魅力ですよね。

ただ、こういった事件が続くことで、安い有料老人ホームは信用できない、といった意見が強くなることも予想されます。

料金が安くても丁寧なケアをしている施設もありますが、有料老人ホームをはじめとした施設全体への風評被害や影響も少なくないでしょう。

また、サニーライフに関しては低価格料金をアピールしながらも入居後の有料サービスが多く、実際の費用はかなり大きくなるケースも報告されています

「最初は毎月の利用料が16~17万円といわれていたのに、入居したら22~23万円が請求されるようになりました」

 元入居者の家族はそう証言する。明細書をよく見ると、増額分はさまざまな有料サービスの利用によるものだった。代表的なものはそれぞれが1回380円の「フルーツ」や「喫茶」「総菜」の提供サービスである。

 この家族によると、入居者は毎日午後、施設内のレストランに集められ、コーヒーや果物などが配られていた。総菜は決められた食事メニューに小鉢などもう1品が追加されるものらしい。入居者がその場で代金を払うことはなく、1カ月ごとにまとめて請求される。そのため入居者側は事前に現金10万円(以前は5万円だった)を施設側に預けなければならない。使用された分を毎月補填していくやり方だという。

 入居時、家族に対しそうした提供についての詳しい説明はなく、請求書を見て施設側に問い質したところ、サービスの存在が初めてわかったという。この家族の場合、施設側に提供を控えるよう抗議し、利用頻度は減った。

老人ホーム「サニーライフ」、割高なサービスを毎日、入居老人に押し売る“銭ゲバ体質” |ビジネスジャーナル

どうしたら施設での虐待はなくなるのか

そのとき、容疑者が見ていた世界

今回起きた事件について、容疑者側にスポットを当ててみてみます。

27歳男性、介護の仕事をしているが介護福祉士などの資格を持っておらず、将来への不安はおそらく大きくなっていく頃ではないかと思われます。

19時半ということで、夜勤の職員からすれば夕食後、少しでも早く就寝準備に入ってもらい、夜勤の時間はゆっくりしたいという思いで勤務している場合もあるのではないでしょうか。

食道から自室への誘導などを行うなど、動きも多くなる時間帯で、自由に動かれる利用者がいれば転倒や衝突のリスクも高く、イライラするという部分もあるのではないでしょうか。

車いすからベッドへの移乗などの肉体的負担の大きな業務もあり、冷静な判断ができなかったのかもしれません。

そういった時間であったこともあり、自分の思い通りにならないことから、容疑者のストレスが爆発したものと思われます。

自分の思う通りに行かないのが介護

基本、介護の仕事をしていれば自分の思う通りにいかない。それが介護という仕事ですよね。

予定外の出来事をどれだけ楽しめるか、楽しめる余裕が持てるか、それが大事なんだと思います。

それを許容できるゆとりのない環境は、職員も集まらなくなり、サービスの質も向上しないでしょう。

時間通りにタスクを終えることも、もちろん重要ですが、それにどれだけの価値があるのか、もう一度見直してもいいんじゃないでしょうか。

施設の常識や崩せないと思っているルールからもう一度考え直すことで、優先順位を再確認することで、虐待が予防できるかもしれません。