この記事の目次
新型コロナウイルス感染拡大が介護現場を恐怖に陥れる
本来であればゴールデンウィークの活気であふれるはずだった五月。いま、新型コロナウイルス感染拡大が続き、介護の現場も悲鳴を上げています。
報道などでも特集され、医療現場だけでなく、介護の現場でも集団感染と戦う職員の姿を目にします。
集団感染の施設、職員5人が40名の利用者を支える
特に北海道千歳市の集団感染に関しては大きな話題になっています。
北海道千歳市のサービス付き高齢者向け住宅で、新型コロナウイルスの感染拡大により介護職員が4分の1以下に減り、介助が十分にできなくなっていることが施設側への取材でわかった。これまでに入居者と職員ら10人の陽性が判明し、入居者約40人がPCR検査の結果を待っている。これ以上職員が減るとサービスを続けられない恐れがある。
この施設は「グラン・セラ柏陽」。運営会社の高橋宏昌社長によると、約50人が入居。今月18日ごろ、併設するデイサービスを10日に利用した男性の陽性が確認されたと保健所から連絡があり、18日以降に職員2人が発熱。入居者も次々と発熱するなどし、デイサービスは閉鎖した。
Yahoo!ニュースより
高齢者住宅とデイサービスで働く介護職員は常勤とパートで二十数人。感染の判明後、複数のパート職員が家族の反対などでやめ、発熱などで出勤できない人も出て、28日からは5人になるという。
残った入居者のうち29人が要介護認定を受けている。職員が泊まり込みで介護を続けるが、排泄(はいせつ)や食事の介助が十分にできない状態で、口腔(こうくう)ケアは取りやめている。運営会社の本部社員は専門知識がなく、同業者や行政から人的支援を受けられるめどは立っていないという。
高橋社長は「極限状態で介護崩壊が迫っている。このまま人的支援がなければサービスを続けられない」と訴えた。道は25日までに千歳市の通所介護関連施設での入居者と職員ら10人の感染を公表したが、施設名は明らかにしていない。
この施設はサービス付き高齢者向け住宅とデイサービスを併設している事業所ですね。併設のデイサービスで感染が始まり、職員・入所者に感染が広がったというケースです。
40人の利用者に対して、対応する職員は5人だけ。
罹患した職員や、家族の反対などで離職した職員などもいて、残りの5名は自宅にも帰らず、泊まり込みながら支援を行っているようです。
SNSでは施設に対し、批判するような書き込みも多数。感染拡大したら批判される。でも、どれだけ対策していたとしても、こういった入居系サービスでの感染拡大は抑えることはできないでしょう。
海外では感染者の放置、介護崩壊も。
海外では利用者を放置し、遺体が残される施設のニュースも報道されています。
それだけ介護の現場も極限状態にあるということです。
医療従事者・介護従事者にエールを。本当に必要なものは拍手だけ?
よく目にします。
医療従事者・介護従事者を応援しよう。
フライデーオベーションとか、医療従事者・介護従事者に拍手をとか、ハッシュタグ付けて投稿するんでしょ。
いや、最前線にいる医療従事者・介護従事者に必要なものが行き渡らない状況を変える方が先でしょう。
防護具は、マスクは、消毒液は?
拍手する手をやめて行政にできることをすべきじゃないか?不要不急なら感染拡大防止のためにテレワークなどにできないか?
医療従事者・介護従事者も拍手が欲しくて働いているわけではない。
カミカゼ特攻隊の志願兵ではない。
業務に必要なバックアップを社会全体でしていくことが最優先じゃないでしょうか。
介護従事者に危険手当が支給可能に
加藤勝信厚生労働相は1日の会見で、新型コロナウイルスの感染が広がるなかで高齢者を支えている介護職員の一部に危険手当を出せるようにする方針を示した。
4月30日に成立した補正予算の財源を用いる。
検査で陽性となった感染者にサービスを提供している施設・事業所などを対象とする考え。こうしたハイリスクな現場で働く介護職員への支給を自治体が決めた場合、かかる費用の3分の2を国が負担する。
今回の補正予算には、コロナ禍で人手不足が顕著になった事業所の支援などを趣旨とするメニューが盛られているが、そのスキームを活用するという。
厚労省の担当者は、新事業の要綱案を近く自治体に提示すると説明。その中で危険手当の具体的な支給要件を明らかにし、一定の支給上限額も設定するとした。対象は感染者をケアする施設・事業所など一部に限る方向で、介護現場の関係者からは拡充を求める声もあがりそうだ。
加藤厚労相は1日の会見で、「検査で陽性となった方が療養している施設もある。そこで働く方々は日常以上のリスクにさらされており、それに配慮した、いわゆる危険手当のようなものを自治体が支給する場合は、その費用を補助する」と述べた。
介護のニュースサイトJOINTより
具体的な内容はまだはっきりしていません。
ただ、自治体が「危険手当」を出す場合には国も費用負担をすることが明らかになりました。
ただ、いずれにしても「危険手当」を出すかどうかは自治体の判断にゆだねられるようです。
自治体が「危険手当」を出すとした場合に、その費用の2/3を国が持つということで、あくまでそういった枠組みができたというだけの話です。
新型コロナウイルス陽性と診断された利用者を抱えている施設であっても、自治体が危険手当の支給を行わないと判断したら、支給対象にはなりません。
どこからどこまでが対象になる?
自治体が「危険手当」を出すとしても、その範囲をどこからどこまでにするのか。たとえば、施設・事業所の中には訪問系のサービス事業所(訪問看護や訪問介護)は含まれるのか。グループホームや小規模多機能なども対象になるのか。さらに、サービス付き高齢者向け住宅やシニアマンションなどの介護保険サービス事業所ではない住宅の場合では対象になるのか。
もちろん、濃厚接触者など、陽性疑いの方のケアをする施設もあります。
陽性の利用者を受け入れていない場合でも、大きな負担が生じていることは間違いありません。
医療従事者・介護従事者にも家族がいるんです。
医療従事者・介護従事者の家族もいろいろなものを犠牲にして生活をしているんです。
お金があれば危険を顧みずにできるってわけでもないですけれど、それだけの負担が伴うことについてはせめて適切なバックアップが必要だと思います。
最近のコメント