11人の介護職員が全員退職!?有料老人ホーム「リリーゆたか」入居者全員転居へ

住宅型有料老人ホーム介護職員が全員退職へ

介護職員の人材難については以前からお伝えしているとおりです。

それでも改善されない待遇。こんな事件が起きているので紹介します。

住宅型有料老人ホームの介護職員、全員退職?

福岡市にある住宅型有料老人ホーム「リリーゆたか」、この施設の介護職員は11名ですが、そのうちの8名が一斉に退職。さらに残りの3名も退職の意向を伝えており、11名の介護職員が一人もいなくなってしまうという事態を迎えようとしています。


関係者によりますと、福岡市博多区にある住宅型有料老人ホーム「リリーゆたか」で、介護にあたる11人の職員のうち少なくとも8人が一斉に退職することが決まったということです。
施設の経営者と職員などとの間に、給料が適正に支払われていないことをめぐるトラブルがあったほか、施設の賃料もここ数か月、未払いになっていたということで職員の退職はこうしたことが原因になったとみられます。
施設には現在、あわせて31人の高齢者が入居し満室となっていますが、職員の退職により十分な介護が受けられず、全員が転居を余儀なくされる状態になっているということです。

給料が適正に支払われていないということであると、


介護職員一斉退職 入居者転居へ

給料が適正に支払われていないということは残業代の未払いや手当の不支給などがあるのでしょうか。11名の職員のうち、8名が一斉退職って、ちょっとヤバいですよね。

施設職員一斉退職のニュース、以前にも見た気がしますが・・・

施設職員一斉退職のニュース、以前にも見た気がする。

そう。こんな事件もありました。

このケースは鹿児島県の住宅型有料老人ホームで、職員8人が全員退職し、施設長が夜間も一人で介護にあたっていた記事には書いてありました。

鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」で、10月から11月半ばにかけて入居者6人が相次いで死亡していたことが21日、分かった。8~9月に介護職員8人全員が退職し、夜間は施設長がほぼ1人で対応していたという。県は施設の運営に問題がなかったかどうか、老人福祉法に基づき立ち入り検査した。施設側は県に対し、6人はいずれも病状が重く、病死だったと説明した。


鹿児島の老人施設6人死亡 介護職員は全員退職

こんな世にも恐ろしいことが起こるかもしれないリスクを経営者ははらんでいるということですよね。

このケースもやはり住宅型有料老人ホームで、介護職員の配置は必須ではないという部分で行政による指導も行き届かない部分になります。

また、こんな事件もありました。

こちらは特養ですが、福岡県ですね。紹介した三つとも九州ですね。

介護職員が大量退職するその理由

このように介護職員の大量退職というケースが続いています。

その原因がどこにあるかというと、いっこうに改善しない待遇と、人材不足で新しいスタッフも入ってこないということもあります。また、介護職員は退職後も次の職を探すことにもそう困らないという部分もあります。

それでありながらも報酬も上げようがないという状況なのでしょう。

今回の事件が起こったリリーゆたかという住宅型有料老人ホームですが、すでに満床になっているようです。

たしかに金額的にも安い設定にはなっていますが、それ以外の施設も同程度の入居金や家賃設定にしています。

それでも職員の給与の支払いにも支障が出ているということで、どのような状況かはわかりませんが、ホーム運営に問題がなかったとは言えないでしょう。

介護職員としては、辞めようと思ったら次を考えなくても仕事は見つかる時代です。経営する側は非常に大きな難題と向き合っていかなければいけません。

施設だけでなく、在宅でも、介護サービス事業は人を中心に投資する時代です。どんな立派な施設でも、人を集めることが出来なければ施設は稼働しません。人を大切にし、人を育てることがサービス事業所には求められます。

従業員である介護スタッフをいかに幸福にしていけるのか。ちゃんと労働者の顔を見て向き合っている経営者でないと、これからの介護事業所運営は難しくなっていくのでしょう。

追記:有料老人ホーム「リリーゆたか」のその後

その後、この有料老人ホームがどうなったのかについてもご紹介します。

法人の設立は2015年、有料老人ホーム「リリーゆたか」が開所したのが2016年でした。

この問題が報道されたのが2019年3月でした。

そして、その翌月、2019年4月末で有料老人ホーム「リリーゆたか」は閉鎖されています。

さらに、運営法人である株式会社ワンリンクは5月17日に破産手続開始決定を受けています。

それでも、今でもホームページは閉鎖せずに残っていますね。サービス内容や料金表、スタッフ募集などへのページはアクセスできないようになっていますが。

クローズアップ現代+でも紹介

この施設については、2019年10月3日に放送されたNHKのクローズアップ現代+でも紹介されたようです。

利用料が比較的安いことなどからニーズが急増している「住宅型有料老人ホーム」。しかし、昨年度、倒産などの理由で廃止届を出した件数が、全国で少なくとも355に上ることが分かった。 突然閉鎖が決まり、入居者が退去させられた福岡市のホームを取材すると、経営スキルに乏しい業者が次々と新規参入している実態や、介護報酬の仕組みが経営を圧迫している構図が見えてきた。“終の住みか”で何が起きているのか、介護制度のゆがみを検証する。

NHK「クローズアップ現代+」

安易な業界参入、経営スキルに課題がある中、介護人材不足という大きな壁も立ちふさがります。

閉鎖する有料老人ホームの数も年々増加し、有料老人ホームへの入居という選択は「老後の安心を買う」ものではなくなったのかもしれません。

老人ホーム選びは即決せず、十分な検討を重ねることが重要です。自宅での介護がどうにも回らなくなったからあわてて探すのではなく、あらかじめ施設という選択肢もイメージしながら介護を行っていくことをお勧めします

施設の暮らしや費用について、有料老人ホームの紹介業者に無料相談してみるとイメージがつかみやすくなりますので、こういったサービスを上手に活用していきましょう。