介護殺人。裁判でその量刑を決めるもの。

まずはふたつの介護殺人事件の判決をご覧ください。

介護妻殺害で懲役3年6月

 自宅で介護していた妻=当時(70)=の首を絞めて殺害したとして、殺人罪に問われた無職茶屋猛被告(73)に京都地裁は19日、懲役3年6月(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。
上垣猛裁判長は判決理由で「思い詰めた末のものではなく、妻の言動にいら立った短絡的な犯行で酌量の余地は乏しい」と述べる一方、自首を認めて刑を減軽した。
判決によると、茶屋被告は昨年10月23日、介護していた妻が大声で尿意を繰り返し訴えたためタオルで首を絞めて殺害した。

老老介護殺人の夫懲役3年 子が受け入れず実刑選択

 神奈川県藤沢市で昨年八月、介護疲れから妻=当時(74)=を殺害したとして、殺人罪に問われた無職山口清被告(74)に対し、横浜地裁は八日「子らが被告を受け入れる状況になく(執行猶予を付けず)実刑をもって臨むほかない」として懲役三年(求刑懲役八年)の判決を言い渡した。
判決理由で栗田健一裁判長は「子らの援助を受け、公的介護を活用する機会もあった」と非難。一方で「認知症で寝たきりの妻の介護に疲れ、将来に絶望して心中を決意した心情は、短絡的とのみ評することは相当ではない」として老老介護の苦労を酌んだ。

それでは、もうひとつの事件をご覧ください。

母親介護に疲れ承諾殺人 被告に有罪判決

 長年の介護の末に母親=当時(72)=を殺害したとして、承諾殺人の罪に問われた足利市板倉町、無職浜岡渡被告(41)の判決が十五日、宇都宮地裁栃木支部であり、林正宏裁判官は「命を奪うことは許されないが、十八年にもわたり一切の自己の生活を犠牲にし母親の介護を続けてきた」などとして、懲役三年、執行猶予三年(求刑懲役五年)の有罪判決を言い渡した。
判決理由で、林裁判官は、浜岡被告が母親の介護で自らも心身ともに疲労困ぱいしていたと指摘。認知症が進み半身不随となった母親が施設を転々とするつらさを訴え、「死んでしまいたい」と繰り返したことから、「被告は母親の心情を思うあまり思い詰めて極端な行動に走ってしまった」と情状を認めた。
判決によると、浜岡被告は、昨年十一月二日、足利市の渡良瀬川河川敷に止めたワゴン車内で、睡眠薬で眠らせた母親の首を絞めて殺害した。

見てわかるとおり、最後の事件だけは執行猶予がついています。
最後の事件に関しては、「承諾殺人」であったことと、
そこにいたるまでの「介護の過程」が判決に大きな影響を与えています。
もちろん、承諾殺人の合法性が認められているというわけではないのですが、
認知症であったとしても自己選択として死を求めた被介護者とそれを遂行した介護者という構図が
ある意味成立しているというわけなんですよね。
いずれも今月に判決が出た介護殺人の事件なのですが、
いくらなんでも多すぎますよね。。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です