36年前の不倫、よみがえった苦い思い出。夫を暴行・傷害致死させた妻に執行猶予。

36年前の不倫が介護殺人の原因に
36年前の不倫が介護殺人の原因に

36年前の不倫、介護中怒り 夫を暴行死、妻に執行猶予

 暴行のきっかけは、36年前の夫の不倫だった――。東京・目黒で昨年7月、介護していた夫(当時79)を殴って死なせたとして、傷害致死の罪に問われた妻(71)の裁判員裁判の判決が25日、東京地裁であった。島田一裁判長は「夫の不倫を思い出して不満がこみあげ、暴力に及んだ」と認める一方、「反省している」として、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役4年)を言い渡した。

 判決によると、被告は夫の介護を続けていた昨年7月24日、東京都目黒区の自宅で、夫の頭や顔を数回殴り、8月2日に急性硬膜下血腫で死亡させた

 公判で、犯行に至る経緯が明らかになった。被告は約50年前に大手銀行員の夫と結婚。夫の退職後も生活に不自由することはなかった。ところが昨年2月、胃がんなどの手術をした夫は介護が必要な状態に。法廷で被告は「あまりに急な介護で心の準備が追いつかなかった」と証言。そんなとき、36年前の苦い記憶が脳裏をよぎったという。

 1979年、夫は45歳、被告は36歳だった。夫はゴルフだと言って、よく泊まりがけで出かけた。ある日、夫の名刺入れから女性の写真を見つけた。夫の職場前で待つと、20歳ぐらいの女性と一緒に出てきた。夫は不倫を認め、謝罪した。

 被告は20歳で夫と結婚。夫以外の男性と交際したことはないという。不倫発覚後も、子どもに夫婦げんかを見せまいと、夫を責め立てることはしなかった。自分のプライドもあった。胸にしまったはずだった。

 しかし、一昨年から、夫婦の思い出話をする中で、ふと、この不倫が話題にのぼった。夫は時効と思ったのか、女性を次第に好きになり、旅行に行ったことなどを打ち明けた。「妻としては、一番聞きたくないことでした」と被告。そこに介護の不安が重なり、犯行に及んだと説明した。

 保釈後にカウンセリングを受けた被告は、こうつづった。「もっと夫に頼って、甘えれば良かった」「お互いに本心をぶつけ合う機会だったのに、逃してしまった」

 島田裁判長は判決の最後に、「被害者との約50年間の思い出は楽しいこともあったはず。感謝の気持ちを忘れず、弔ってください」と諭した。被告は涙ぐんでうなずいた。

 判決後、裁判員ら4人が会見に応じた。実家で母親が父親を介護する20代の女性は「母も不満がたまっているかもしれない。自分も改めて家族を見つめ直そうと思う」。補充裁判員を務めた男性(34)は「身近に起こりうると感じた。家族でコミュニケーションをとり、不満をためないことが大切と感じた」と話した。

36年前の不倫。
時効だと思った夫と許せなかった妻。
結婚して50年経っても妻の気持ちを理解することができなかった夫。

もちろん、この不倫の事だけで殺意に至った訳ではないでしょう。
普段からコミュニケーションがとれていて良好な関係が作れていれば、
きっとこんな悲しい事件は起きなかったのでしょうね。

いま、もし不倫をしているという男性諸君。
このニュースを見てぜひ思いとどまっていただきたい。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

36年前の不倫が介護殺人の原因に

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