家事援助カットは介護保険スタート直後から決められていた?

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文藝春秋編「日本の論点PLUS」に「介護予防は役に立つか」という論点で議論が行なわれているのですが、
岡本祐三 (国際高齢者医療研究所岡本クリニック院長)氏がこんなコラムを掲載しています。

あらかじめ決まっていた家事援助カット

 では、なぜこのように常識では理解しがたい「見直し」がなされるに至ったのか。その「謎」は二〇〇〇年九月、すなわち制度発足半年後に交わされた「介護保険制度の定着に向けた改善方策について」という与党三党による合意文書にある。この中で「保険給付として適切な範囲を逸脱した家事援助の是正」として今回の「見直し」の基本的な路線がすでにはっきりと指示されている。
 高齢者の自立生活は家事から崩れてゆくという理由から、現場は「要支援者」に対する「予防給付」として家事援助を強く要請していた。発足時の混乱を避けるという政治的判断もあって、とりあえずは軽度者にも家事援助が認められることになったが、すでにその時点で、五年後の「見直し」時に「家事援助をカットする」という枠組みができあがっていたのである。
 しかし、発足後五年の経験を踏まえて「家事援助は高齢者の自立的な生活を維持促進する」という見解は、ますます多くの関係者に支持されるようになっている。もし家事援助の濫用が事実であるならば、それを実証するに足るデータを示して、たとえば自己負担増であるとか、要介護認定の厳格化といった行政的な手法で、国民に正面から利用抑制を求めるべきではなかったか。それを「家事援助濫用→怠け者化→廃用症候群」といういい加減な理屈で、本来行政の責任として対応すべき事態を利用者の自己責任化へとすり替えたことは残念というほかない。これは家族を介護地獄から解放し、「介護は社会で」という社会的責任主義をとった介護保険の本質に逆行するものである。

家事援助が要介護状態を悪化させるという現場の誰しもが納得しかねる理屈に対して、
明らかな根拠がまるで提示されなかったのですが、
なるほど。
改正介護保険法は介護保険の見直しではなかった、と考えるとすっきりします。
そして、介護予防という目くらましまで用意されたわけですが、
目玉の筋トレにもまともな根拠は出てこなかったと。。。
なんだか、何のための介護保険なんだかわかんねぇな。


ちなみに、介護予防に関してはこんな。

介護予防事業所、研修実績を開示・国が義務化検討

 厚生労働省は3日までに、改正介護保険法で4月から導入された筋力トレーニングなどの介護予防サービスを提供する事業所に対し、事故防止策や研修実績などの情報開示を義務付ける方向で検討に入った。利用者が事業所を選ぶ際に適切に比較検討できるようにするのが狙いだ。
 介護予防をめぐっては、体力測定の片足立ちの際に高齢者が転倒し骨折していたことが10月に発覚。利用者が今後も増える見通しであることから、情報開示の必要性が指摘されていた。

リスクマネジメントの情報開示もいいけれど、
介護予防にどれだけの効果があるのかも開示してもらいたいのですが。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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