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2008年09月25日

食事介助での誤嚥は注意義務違反。愛知県一宮市伊達裕介くん窒息事故に2000万円の損害賠償。

介護業者に賠償命令 食事中窒息「注意怠る」

 重度の身体障害のあった次男=当時(15)=が夕食をのどに詰まらせて死亡したのは、食事を手助けしたヘルパーが注意を怠ったためだとして、愛知県一宮市の両親が市内の介護業者などに総額6000万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁一宮支部は24日、業者側に計約2000万円の支払いを命じた。

 鬼頭清貴裁判長は判決理由で「ヘルパーが次男の異常を認識して連絡していれば、死亡は防げた」と指摘。ヘルパーの注意義務違反と死亡との因果関係を認めた。

 判決によると、両親は2004年10月、中枢神経の障害で生まれつき自力で歩いたり食事したりすることができない次男の介護を業者に委託。05年10月24日夜、ヘルパーに夕食のロールキャベツなどを食べさせてもらった次男の様子が急変。ヘルパーは次男を残したまま、近所に外出していた両親を呼びに出たが、戻った時には次男はぐったりしており、翌日夜に窒息で死亡した。

2000万円の損害賠償をはたしてどうとらえるかということになりますが、
食事介助という場面がリスクの高いものであるということを考えると、
事業所側にとっては重い判決に感じられるかもしれません。

大きな争点となりそうなポイントを挙げてみましょう。
1.死亡した次男の食事に関して、しっかりアセスメントが行われ、それに基づいたケアがなされていたのか。
2.急変時の対応としてとったヘルパーの行動は正しいものだったのか。急変時についての家族との間に約束事があったのかどうか。
3.その20日前にも食事中にのどを詰まらせていたということから、そのヘルパーが十分な研修を受けて、食事介助や緊急時の対応(吸引は・・・?)についての技術を身に着けていたのか。

といったあたりなのかもしれませんが、
逆に、以前にものどを詰まらせていたということは、食事面でリスクの高い利用者であったことも推測されます。
事業所として、受けた依頼を断るというのは難しいわけで、リスクの高い仕事でもしなければいけない。
そして、事故が発生したときには訴訟を起こされるわけですから、
訪問介護というのは本当にリスクの高い仕事だといわざるを得ない、というのが事業者側の意見でしょうね。
もちろん、人が一人死んだということについては間違いない事実であり、
このような事故が繰り返されないことを願いたいと思います。

この利用者の食事や嚥下能力について、主治医がどのように認識していたのか、
というところも気になるところではあります。

2008年09月24日

介護報酬改定、3%以上の報酬アップを目指す。

「介護報酬3%以上の引き上げ不可欠」

 介護従事者の処遇改善や事業者の経営状況の打開、利用者が必要なサービスを受けられる介護保険制度の確立には、介護報酬の引き上げが緊急の課題として、全国保険医団体連合会(保団連)が「2009年介護報酬改定に対する要求」をまとめた。過去2回の改定が大幅な引き下げとなったことから、09年の改定では、介護報酬の3%以上の引き上げを求めており、舛添要一厚生労働相に近く提出する。

3%以上の引き上げといわれてもなかなかピンと来ない部分が多いのですが、
前回の改定でマイナス2.4%の改定だったことを考えると、
前回の改定以前の状況を取り戻すことがひとつの目安となりそうです。

全体的に何%の改定だったかだけの評価ではなく、
どこがどれだけ改定されたのか、また、加算の内容や条件などの変更も含めて、
この改定を見ていく必要があります。

2008年09月21日

グループホーム高齢者見守りカメラとプライバシー。

認知症グループホームに「見守り」カメラ 製品化中止

認知症グループホームの中にカメラを設置すれば、介護職員が離れた場所からも入居者の見守りが可能となり、ゆとりを持って介護ができる。こんなねらいから、石川県内の大学の研究者らでつくるグループが文部科学省の研究費で開発を進めていた「見守り支援システム」に対し、グループホームの全国組織が「プライバシーの侵害」と反対。研究グループが製品化を中止したことがわかった。

 この研究は、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)と石川県工業試験場の研究者らの研究グループが05年度から約1千万円の研究費を使って進めてきた。

 グループホームでは、介護職員が、外に出て徘徊(はいかい)する可能性のある入居者に注意を払っていると、他の入居者の見守りや炊事作業などに専念できないという問題がある。

 そこで、石川県内の3グループホームの入居者や家族の了解を得て、玄関や廊下にカメラを設置し、台所などにモニターテレビを置いて、職員が入居者の動きを画面で確認できるようにした。

 職員への聞き取りでは「夜間、入居者が自室とトイレの間を行き来できるか確認するため、物音がするたびに様子を見に行くなどしていたが、モニターテレビで確認できるようになった」など、評価する意見が多かったという。

 研究グループは最終年度の今年度に製品化(価格約150万円)を目指していた。

 しかし、全国のグループホームの約4分の1が加盟するNPO法人・全国認知症グループホーム協会(東京都、木川田典彌代表理事)が「利用者からすれば監視以外の何ものでもない。徘徊による事故の防止には必要最低限のセンサーの設置で不十分か否かを議論する必要がある」と実用化に反対する立場を明確にした。近く文科省と石川県にもその考えを伝える。

家庭用の認知症高齢者を対象にした監視カメラは実際に市販されています。
グループホームでそれを使うことははたしてプライバシーの侵害に該当するのかどうか。
もちろん、ご家族の許可などは必要になるのでしょうけれど、
その設置場所などでも大きく意味合いは変わってきそうですね。
居室に設置すればプライバシーの侵害という要素も強くなるでしょうし、
共同のリビングや玄関となればまた意味合いも違ってくるように思います。

ただ、家庭では導入しているところも多く、それはプライバシーの侵害に当たるのかといったら、
そこはなかなか踏み込めないところでもあります。
高齢者だけではなく、子供の部屋に監視カメラを設置している親もいたりするようで。

安易に監視カメラを導入することには反対ではありますが、
それ以前に、介護職員として守るべきプライバシーの基準はどこにあるのかという部分にも
目を向けていかなければいけないですね。

2008年09月18日

社会保障審議会介護給付費分科会スタート!介護報酬改定の行方は?

介護報酬引き上げ 議論開始へ

 介護サービスを提供した事業者が受け取る介護報酬の引き上げに向けて、18日から厚生労働省の審議会で本格的な議論がスタートします。介護の現場では、深刻な人手不足が続いており、どの程度、報酬を引き上げ、人材の確保に結びつけるが最大の焦点になっています。
介護報酬は、介護サービスを提供した事業者が、その対価として介護保険から受け取る報酬で、サービスの種類ごとに国が金額を定め、事業者の収入や利用者の自己負担は、この額によって決まります。3年に1回見直しが行われますが、利用者が急激に増えて保険の財政がひっ迫したため、過去2回の改定では、いずれも全体として報酬が引き下げられました。その結果、重労働の割に賃金が低いことなどを理由に介護職を離れる人が相次ぎ、特に地域全体の給与水準が高い大都市部では人手不足が深刻になっています。このため、18日から始まる厚生労働省の審議会では、来年4月の改定に向けて、どの程度介護報酬を引き上げ、人材の確保に結びつけるかが最大の焦点になっています。審議会では、介護職の人たちの給与水準や事業所の経営状況などを詳しく分析したうえで、新しい介護報酬をまとめることにしています。今回の改定のポイントについて、介護保険制度に詳しい立教大学の高橋紘士教授は「介護職の人手不足は、地域全体の給与水準の高い大都市部で特に深刻で、都市部の事業者への報酬を優先的に引き上げる必要がある。ただし、報酬を上げても介護労働者の賃金に反映されるとは限らないので、この問題をどう解決するかも大きな課題だ」と話しています。

介護報酬の改定で介護報酬が上がっても、介護労働者の賃金に反映される保証がない、
→介護報酬を上げても介護の人材確保に効果がない
→介護報酬の引き上げは見送る
なんてのが、最悪のシナリオですが、
人材確保ができないがために閉鎖される事業所があとを絶たない今、
少しでも賃金を改善して人材確保を狙うという流れになりそうなものですが。
また、介護の人材は流動性が高く、少しでも条件のいい事業所に移るでしょうから、
経営者だけが介護報酬の引き上げのうまみを味わうという図式にはならないように思います。

いよいよ本格的な議論が始まった介護報酬の改定。
果たして来年の四月に、どんな介護保険が待っているのでしょう。

2008年09月17日

介護サポーターと認知症サポーター。地域で支える介護の草の根運動。

介護サポーター3万人養成 団塊世代の退職者ら

 厚生労働省は、介護が必要な高齢者の日常生活を支える「介護サポーター」約3万人を養成する方針だ。2009年度から、団塊の世代で退職した会社員0Bや元気な高齢者らを対象に研修を実施、介護保険ではできないきめ細かなサービスを提供してもらう計画。

 研修は約30時間で、講師は特別養護老人ホームの管理者ら介護のベテランが務める。高齢者の話に耳を傾ける「傾聴」の心得などコミュニケーションの仕方や、車いすからの移乗といった介助方法、地域福祉の現状や財政などを教える。

 研修を終えると、介護予防や福祉の拠点で全国に約4000カ所ある「地域包括支援センター」に登録。介護が必要な高齢者らの要望に応じて話し相手になったり、庭の草むしりやペットの世話、同居している家族が留守にする際の見守りなど、介護保険にないサービスに応じられるようにする。

介護サポーターというものができるようです。
なんだか、見ていると認知症サポーターのパクリのように思うのですが。

介護を支える人材が不足していくことは間違いないわけですから、
労働者を増やすことではなく、
ボランティアという形式での草の根運動を促進するという方向に向かっていくのでしょうか。
インフォーマルな介護保険外サービスの体制作りを、
こういった厚生労働省主導でやってもうまくいかないだろうなという印象があるんですけれど。。。


介護ヘルパーに必要なパーソナリティとヘルパーを選ぶ責任。

訪問介護先で270万相当盗みか=「ブランド好きで借金」−ヘルパー女を逮捕

 訪問介護先から現金や腕時計を盗んだとして、警視庁原宿署は17日までに、窃盗容疑で東京都杉並区清水、介護ヘルパー関本里映容疑者(25)を逮捕した。容疑を認め、「ブランド物が好きで、消費者金融に300万円の借金があった」と供述しているという。

介護の現場は危機的な人材不足です。
人を獲得することは事業所にとって大きな命題ではありますが、
人を選ぶということも重要です。
介護というヒューマンサービスにおいて、スタッフのパーソナリティは重要なウエイトを占めます。
ブランド好きで消費者金融に借金を多額に抱えているということが
わかっていたとしたら、
現在の介護労働という現場での収入を考えて、なじめるのかということも考慮して、
採用を行うべきですよね。

2008年09月12日

三笠フーズの事故米が高齢者施設へ。高齢者施設の食の安全性の確保は?

汚染米、病院や高齢者施設の給食に 三笠フーズの転売問題

 米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が農薬やカビ毒で汚染された事故米を転売していた問題で、農林水産省は十一日、基準値を超える農薬メタミドホスに汚染された中国産もち米が、東京の給食大手「日清にっしん医療食品」に転売されていたと発表した。

 日清医療食品によると、このコメは同社近畿支店を通し近畿二府四県の病院や高齢者福祉施設百十九カ所に少なくとも七百四キロ納入され、大半が既に消費されたという。

 加工原料以外で、汚染されたもち米が食用に消費されたことが初めて判明。消費量は今後さらに膨らむとみられる。これまでに健康被害は確認されていない。

 大阪府や同社などによると、問題のコメは三笠フーズが販売し、福岡県の食糧加工会社など複数の仲介業者を通して大阪府の業務用食品卸会社がことし五―八月、約七百キロを購入。五―九月に全量がこの会社から日清医療食品に卸された。

 日清医療食品は、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山各府県の病院や高齢者施設百十九カ所で給食を提供していたが、八日夜になって仕入れ先の食品卸会社から「コメを使わないでくれ。代替品を用意する」と電話があった。保健所からは「メタミドホスに汚染している可能性がある」と連絡を受けたという。

 約七百キロのうち、堺市の高齢者施設四カ所にはもち米二十三キロが納入され、市が調査した結果、赤飯などにしてすべて消費されたことが判明。滋賀県でも十カ所に四十三キロが流通し、うち四十二キロが消費されていたことが分かった。

 大阪市では、病院と高齢者施設の計十三施設に伝票上は七十二キロが納入されているが、市がこれまでに確認できた在庫は六・四五キロだけ。日清医療食品は、すぐに使う分だけを注文、購入しており、ほとんどが消費されたとみている。

 各府県などは十一日、施設への立ち入りや聞き取り調査を進め、事実関係の確認を急いでいる。

食事は施設入所者にとっても大きな楽しみの一つです。
こういったニュースがあることで、それを安心して楽しむことができなくなるのは、とても残念なことですね。
病院・施設119箇所っていうと、かなりの規模になっていますので、
利用者・家族への説明やその後の対応、など、これからが大変ですね。

2008年09月10日

千の風になって、見えない職員がたくさんいる施設?千の風・河内

職員数偽り介護指定 県、河内の特養ホーム処分

 人員基準を満たしていないのに虚偽の申請をして、介護保険法に基づく指定を受けるなどしたとして、県は9日、社会福祉法人「健仁会」(千葉県鴨川市)が運営する特別養護老人ホーム「千の風・河内」(河内町生板、星哲夫施設長)に対し、介護報酬をカットしたり、新規入居者の受け入れを制限したりする指定効力の一部停止処分を下すと発表した。

 処分日は10月1日で、同日から6か月間、介護報酬を5割カットするほか、1年間、特別養護老人ホームの新規入居者の受け入れを認めない。

 県によると、千の風は2007年2月、施設の規模によって決まる人員基準24人に満たない14人の職員しか確保していないにもかかわらず、就職辞退者の名義を無断使用するなどして、27人が働いているかのような虚偽の申請をして同年3月1日付で指定を受けた。

 県は、電子メールによる匿名の通報を受けて、3月以降、千の風に対し、監査を進めた。当初、星施設長らは虚偽申請の事実を認めず、虚偽の報告をしていたが、6月になって事実を認めたという。

介護報酬5割カットというのはきついですね。
新規利用者の受け入れを停止というのも処分に課していますが、
実際、職員数が14名で動いている時点で、新規入所者の受け入れをストップさせたり、
ショートの受け入れを制限したりしていると思うので、
それが果たして処分になっているのかどうか。

千の風といえば、秋川雅史の「千の風になって」を想像してしまいますが、
千の風になって施設に見えない職員の影が吹き渡っているということで。。。

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