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2006年09月29日

狙われる特養。管理体制に大きな穴。

特養ホーム専門の窃盗団、60人を逮捕…被害6億円超

 関東から九州まで23都府県で特別養護老人ホームを狙って金庫破りなどを繰り返したとして、大阪、京都など12府県警の合同・共同捜査本部は28日、中国福建省出身で住所不定、無職林和仙(32)、林■云(40)両被告(いずれも窃盗罪などで公判中)ら中国人や日本人らのグループ計60人を窃盗、建造物侵入容疑などで逮捕、起訴したと発表した。

 グループによる犯行とみられる被害は、2003年6月から今年3月までに計730件、6億7500万円相当に上り、捜査本部は裏付けを進めている。

 調べでは、両被告は他の3人と、昨年5月1日深夜から2日未明にかけ、佐賀市田代の老人ホームに侵入、事務所の金庫から約700万円を盗むなどしたとされる。これまでに和仙被告は7件、■云被告は10件の窃盗罪で起訴されている。

 捜査本部によると、60人の内訳は、中国人43人、日本人14人、在日韓国人3人。大阪、愛知、神奈川、和歌山、兵庫各府県を拠点とする5つの小グループに分かれ、メンバーを入れ替えながら、電話帳で調べた老人ホームに4〜6人で侵入し犯行に及んでいた。

(■は経の糸ヘンのない字)

特養専門の窃盗団。
特養がお金をたんまりと持っているわけではなく、
管理体制が甘いという点を突いた犯行であると考えられます。
施設の中には、職員・業者・家族など、さまざまな人が行き交うわけで、
知らない人が入ってきたとしても気づかれにくいという側面もあります。

それにしても、730件、被害総額6億円超というのは、
特養の管理体制の甘さに大きな問題がありますね。
被害は窃盗のみのようですが、もし仮に入所者の生命・身体に何らかの被害が及んだとしたら・・・。

2006年09月28日

石川県かほく市グループホーム殺人事件。減刑の背景。

かほく市グル-プホ-ム殺人控訴審・減刑

石川県かほく市の介護施設で入居者の女性を殺害し、1審で懲役12年の判決を受けた元介護職員に対し、名古屋高裁金沢支部は1審判決を破棄し、懲役10年の判決を言い渡しました。
殺人の罪に問われていたのは津幡町緑が丘の元介護職員松田優被告(29)です。松田被告は去年2月、勤めていたかほく市のグループホームで、認知症で入居していた当時84歳の高山喜美子さんに石油ファンヒーターの熱風を当て続け、殺害したとされています。
1審の金沢地裁は懲役12年の実刑判決を下しましたが、松田被告は殺意がなかったとして控訴していました。判決公判で名古屋高裁金沢支部の安江勤裁判長は、「殺意を認めた捜査段階での供述は具体的かつ迫真的で、裁判での弁解は信用できない」として、殺人罪を認定しました。その上で、犯行動機は「仕事上のストレスが原因だが、夜間の一人勤務など介護施設の法整備や管理体制の不備も事件の背後にある」として、懲役12年とした1審判決を破棄し、懲役10年の判決を言い渡しました。

この事件、裁判での争点は殺意があっての殺人罪か、
それとも殺意のない傷害致死か業務上過失致死罪かという点でした。
が、一審と同じ殺人罪とされたものの、懲役12年が10年に減刑されました。

その要素として、驚くべきことに
裁判の場でグループホームの夜間一人勤務という体制の問題、法制度の不備が指摘されたことです。
つまり司法の場で、
グループホーム夜間一人体制には問題があると言及されたわけです。

ひとりの職員による利用者の殺人事件というだけでは片付けることのできない、
介護現場の非常に深い闇の部分が注目されますね。

不自然な皮下出血、岡山の特養で虐待の疑い。

岡山市の特老で虐待の疑い

岡山市内の特別養護老人ホームで、入所者に対する虐待の疑いがあるとして岡山県と市がこの施設に対する立ち入り検査を行いました。
入所者に対する虐待の疑いで検査を受けているのは岡山市内の特別養護老人ホームです。
入所者の中の中の21人にあわせて46箇所の不自然な皮下出血があることを施設の嘱託医が見つけたものです。
元嘱託医が再三にわたり虐待の疑いがあることを指摘したにも関わらず十分な改善策が取られなかったことからおととい入所者4人の家族が施設に対し処分を求める要望書を提出しました。
これを受け岡山県と市は昨日、この施設を訪れ施設長や介護部門の責任者などから聞き取り検査を行いました。
これに対し施設側は虐待の事実については否定しています。
岡山県と市は施設に対し来月3日を期限として調査報告書の提出を求めていて報告書の内容によっては処分を検討する方針です。

虐待という負の側面を、
岡山市がどこまで突っ込んで実証できるかに注目されます。
リンク先のニュース動画では、元嘱託医と施設長のコメントも聞けますので、ぜひご覧ください。

21人のあわせて46箇所に不自然な皮下出血って、どう考えても尋常じゃないですね。
これだけ大規模となると、職員単独での突発的なものというよりも、
施設内で恒常化している可能性や、それを知っていながらも黙認している状態にあった可能性もありそうです。

2006年09月26日

障害者自立支援法、広がる格差と阻まれる自立。

負担増理由に退所 障害者施設利用の計55人(長崎県)

 障害者に福祉サービス利用料の原則一割負担を求める障害者自立支援法の施行を受け、県内で通所型施設利用の四十三人(全利用者の4・2%)、入所型利用の十二人(同0・4%)が、「負担増」を理由に施設を退所していたことが、二十二日分かった。

 同支援法は四月施行。働く場や訓練を提供しながら自立を促す授産施設などで、障害者が施設利用料の一部を負担し、食費なども実費で支払うことを求めている。

 県は、同法の施行前後の三カ月間、身体障害者と知的障害者が利用する県内の全八十施設を対象に影響調査を実施。特に、通所型の退所者は利用料などの負担額が施設側から支払われる工賃(賃金)を上回るケースが多く、「働く意欲がなくなった」などと理由を示しているという。

これはもちろん、長崎だけに限ったことではありません。
熊本でも、同じような報告がされています。

障害者自立支援法 負担増で利用者減少も中止も

 2006年4月に施行された障害者自立支援法で、利用料の1割を障害者が支払うようになるなど負担が増えたことにより、7月までで214人が利用を中止したり、利用を控えていることがわかりました。県が、施設や市町村を通して行った調査で、5801人の回答がありました。このうち、自立支援法の施行後負担増を理由に施設を退所したり、利用をやめたのは、56人、利用を控えているのは158人でした。負担額は、通所施設で平均1万6000円あまり、入所施設で平均1万4000円あまり増加していて、ほかの生活費が足りない、預貯金を取り崩すなどの影響も出ています。また、利用の減少により、施設側の収入が減少するなどの影響も見られるということです。

授産施設へ通い、作業をして、少ない工賃を得たとしても、
その通所にかかるサービスに発生する一割負担の額の方が多くなってしまうというジレンマ。
働きにいっているのに、逆にお金を払わなければいけない。
その先のいったいどこに、この社会が掲げる自立というものがあるのでしょう。

介護保険改正の際には、
「負担増による退所はなし」と断言してしまっていますが(真偽のほどはさておき)、
今回の自立支援法では明らかに負担増による退所となります。
サービスをやめれば、一生、家に閉じこもって過ごすことになるかもしれません。
もう社会とつながるチャンスさえもたたれてしまうことも考えられます。
再チャレンジ大臣さん、ニート問題担当の関係者さん、みなさんはこういった現実をどう受け取っているのでしょうか。

そして、地域間格差も大きくなっています。

障害者の負担軽減、自治体の4割導入 広がる地域格差

 障害者自立支援法で障害者に義務づけられた福祉サービス費用の原則1割負担をめぐり、全都道府県と政令指定市など主要市、特別区のうち、約4割が独自の軽減策を実施したり、導入を決めたりしていることが、朝日新聞社の全国調査でわかった。同法が一部施行された4月以降、従来に比べて急激な負担増となったのを緩和する措置。10月から始まる障害児施設の利用料負担でも、同様の軽減策に踏み切る自治体が相次いでおり、住む場所によって障害者の負担が異なる「地域格差」が広がっている実態が浮かび上がった。

 都道府県と指定市の計62自治体のうち、軽減策を実施、または実施の方針を決めたのは15自治体で、10自治体が現在、検討している。京都府は「負担増で必要なサービスを受けられなくなる」として、3年間の期限付きで国より低い上限額を設け、超過分を市町村と折半で助成。横浜市は非課税世帯を対象に負担の増額分を全額助成している。三重、千葉両県は、障害者が共同で暮らすグループホームへの家賃を補助する形で、本人の負担を軽減する。

 一方、37自治体は「実施していない」と回答。「障害者施策は全国一律であるべきで、軽減策についても国の責任」(茨城県)「低所得層に配慮した軽減策が法律で用意されている」(静岡市)などの意見が多かった。

弱者が踏みにじられ、弱者のなかにさらに弱者が生まれ、淘汰されていくような、
なんだか住みづらいですね。
こんなのが、次の内閣が目指す「美しい国」なんでしょうか。

2006年09月25日

災害弱者を守るのは、誰。

こんな記事を紹介します。

「その時、障害児・者は! 阪神・淡路大震災から学ぶ地域づくり」

「いつ発生してもおかしくない」と言われている東海・東南海地震。
 当市においては、東海・東南海地震が同時に発生すれば震度6弱の揺れが予想されています。その時、障害のある
方たちはどのような状況に置かれるのでしょうか。
 今回の講座では阪神・淡路大震災に際し、県内外からの救援ボランティアのコーディネートをされた経験があり、障害
者を支援する団体が発行した「障害者市民防災提言集」の編集にも関わられた、社会福祉法人大阪ボランティア協会
の海士美雪(かいしみゆき)氏を講師に迎え、貴重な体験をうかがい、今後の地域づくりの一助となればと思います。

と、こんな講習が行なわれるそうです。四日市市ってことは、三重県ですね。
東海大地震に関しては、首都圏に住むみなさんにとっても他人事ではありません。
真っ先に致命的なダメージを受けると思われるのは災害弱者と呼ばれる人たちで、
障害を持っている人たちも、当然、災害弱者です。

が、実際、災害弱者と呼ばれる人たちを支える支援体制は一体どうなっているのかというと、
こんなニュース、

福祉・防災部局の情報共有17%だけ 1都10県の147区市

 災害発生時に援護が必要な高齢者ら災害弱者(要援護者)の支援について考えるシンポジウム「大規模災害に備える」(関東弁護士会連合会主催)が22日、東京都内のホテルで開かれ、個人情報の取り扱いなどに関して意見が交わされた。

 同連合会は今年6月、要援護者対策について、管内1都10県の227区市にアンケートを実施、147区市から回答を得た。

 それによると、90%の区市が、福祉部局が把握する高齢者や障害者の情報を防災部局と共有する必要があると答えたが、実際に一部でも共有しているのは17%。共有が難しい理由(複数回答)として、100区市が「個人情報保護法上の問題がクリアできない」、66区市が「プライバシー保護が図れない」を挙げた。

おいおい。
個人情報保護が災害対策の足かせとなっているという・・・。
どちらかというと、個人情報保護という名目であえて何も対策をとろうとしていないような気もしますが。
災害弱者を守るのは、いったい、誰???

駐車禁止除外対象、「ボランティア」と「事業者」の壁

路上駐車取り締まり 介護奉仕車対象外に

 改正道交法の施行で強化された路上駐車の取り締まりについて、県警は、お年寄りの送り迎えなどをするボランティアの車を、申請があれば取り締まりの対象から除外することに決めた。

 これまで福祉関係の車で駐車が許可されていたのは、介護保険法に基づいて自治体や施設の職員らが介護、調査で訪問する時に限られていた。県警交通規制課によると「ボランティアを許可対象にするのは全国的にも珍しい」という。

 今回から許可対象となるのは、介護が必要な人や歩行困難なお年寄り、身体障害者の自宅前での送り迎えや食事の配達をする車。福祉関係以外ではプロパンガスの集配で使う車についても許可する。

 希望する場合は、駐車場所を管轄する警察署に申請し、最長六カ月の許可を受ける。

駐車禁止の除外を、
ボランティアに認めるというのは、画期的ですよね。
これを悪用して路上駐車をしようという人を防止することも重要ですね。
また、その悪用防止のために、手続きなどが必要以上に煩雑になることも避けなければいけないところですが。

事業者だけではなく、ボランティアも重要な社会資源として、
地域での生活を支える大きな要素になってきていることが認められたということですよね。
これが、千葉県だけではなく全国的に広がることを期待したいですね。

千葉県警のウェブサイト、非常に面白いですね

2006年09月24日

介護福祉専門学校、生き残りサバイバル。

先日、このブログの中でも書いたとおり
介護福祉専門学校への入学者が少なく、
多くの介護福祉士養成校で定員割れとなり、廃校になるケースも増えているということをお伝えしました。

介護という仕事に対する魅力よりも、
より現実的な部分で、勤務条件や環境などを考えて別の方向に進む学生が増えているということでしょう。

当然、大きな打撃を受けているのは、介護福祉士養成校である専門学校。
そこで、学生の取り込みに向けて、さまざまな試みを実践しています。
特に、専門学校でブログを持つところが非常に増えています。
このヘルパータウンのリンク集にも、介護福祉専門学校のカテゴリを設置し
専門学校のブログを紹介していますので、ぜひご覧ください

目立ったのをいくつか紹介します。


鴻池社会福祉専門学校のブログでは、学生達が実習などから得た感動をテーマにブログを作っています。
ブログのタイトルが「涙が出るほどいい話」ということで、どんな話が飛び出すか期待して見ていきたいですが、
なかなか更新しないようで、ある意味、涙が出そうです。

神奈川の専門学校では、スクログというサポートコミュニティを作っており、
各専門学校にブログを設置しています。
そのなかに、介護系の専門学校もたくさんありますね。
学生さんを呼び込むために、積極的に情報を展開していて、
学校選びにも幅が広がりそうですね。

未来の介護を支える金の卵を育成するためにも、
専門学校さんには頑張ってもらいたいと願います。

2006年09月22日

介護保険利用者439万人。介護保険は広く浸透したのか?

介護保険利用者、過去最多の439万人に 昨年度

 05年度に介護保険サービスを利用した高齢者数は前年度より約26万人増え、439万8000人と過去最高を記録したことが厚生労働省の介護給付費実態調査でわかった。伸び率は6.3%で過去最低。高齢者1人当たりの介護サービス利用額は昨年10月時点で15万7800円で前年同月と比べほぼ横ばいだった。

 介護保険の利用者数は01年度以降、毎年約11〜17%の割合で増えてきた。伸び率が鈍化したことについて厚労省は「制度が浸透し、サービス提供業者による利用者の掘り起こしが一段落したことなどが影響しているのではないか」としている。

 年間を通して介護保険を利用している人は231万9000人。要介護4の人30万人のうち、程度が悪化した人は10.2%と前年度よりも8ポイント改善した。他の要介護度でも悪化した人の割合は減っており、容体の悪化に歯止めがかかる傾向がみられた。

これらの数字からいろいろ見ていきたいわけですけれど、
まず、過去最多の439万人とはいえども、伸び率は半減。
高齢者人口は増えているわけで、その分サービス利用者数が増加するのは当然のことなのですが。

この伸び率の鈍化は、
介護保険が浸透し、必要とする非と全てにサービスが供給され、
地域に眠る潜在的なニーズを全て掘り起こしきったということなのかというと、
そんなわけでもなさそうが気がします。
実際、サービスの供給量が絶対的に不足している地域もまだまだ多く、
離島などのようにサービス自体が皆無な地域もあるわけですから。

介護保険改正の影響をモロに受ける06年度がどうなっていくのかも気がかりです。

そして、最後のひと段落に注目。
いわゆる介護保険サービス利用者の要介護度の変化です。
朝日新聞の記事では、悪化に歯止めが止まりつつあることを主張しています。
が、

介護サービス利用者、過去最高の439万人・05年度

サービスを1年間利用し続けた人のうち、最も軽い「要支援」の24%で要介護度が重くなるなど、要介護度が改善せずに悪化する傾向が目立つ。

過去最高の440万人

 また、介護保険の介護サービスを利用している要介護高齢者の1年後の要介護区分は、4年連続で悪化する結果となっており、高齢化が進むにつれて心身の状態が悪くなることがあらためて裏付けられた。

まだこんなことを平然と書く記者がいるわけで。
人間、加齢により要介護度は悪化するのが自然なわけです。
介護サービスを利用したから要介護度が上がったかのような言い方ですが、
介護サービスを利用しなければ状態は維持できてるのか?改善するのか?

介護サービス利用してれば誰でも状態が改善するようなら、
老衰で死ぬ人間なんていなくなりますよ。

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