混合介護の弾力化、慎重論に押され大きく後退 玉虫色の表現に 規制改革答申
政府の規制改革推進会議は23日の会合で、これまでの議論を総括した答申を安倍晋三首相に提出した。
いわゆる「混合介護」のより柔軟な提供を認める構想については、踏み込んだ提言を書き込めていない。「検討する」「課題や論点の整理を行う」といった玉虫色の表現にとどまり、望む方向性を明確に打ち出せなかった。厚生労働省や与党で噴き出した慎重論に押され、本来の主張から大きく後退した格好だ。
保険が適用されるサービスとされないサービスを組み合わせること。それが混合介護だ。厚労省は現在、両者の線引きをはっきりさせなければいけないと現場を指導している。
規制改革推進会議はその緩和・撤廃を目論んだ。ヘルパーが利用者の分と家族の分の掃除・洗濯をセットで済ませたり、デイサービスの時間内にショッピングへ連れて行ったりして、「介護報酬+α」の料金を取れるようにすべきと主張。能力・人気の高いヘルパーに「指名料」を設定する案や、希望する時間の「指定料」を取る案なども出した。利用者の選択肢を増やし、事業者や介護職員が収入を得るチャンスを広げるメリットがあるという。先月に発表した意見書では、早期の実現に向けて今年中にガイドラインを作るよう訴えていた。
デメリットの方が大きい ー 。そう捉える人は少なくなかった。「保険外を使える人ばかりが優遇され、お金の無い人に支援が行き届かなくなる」「自立支援の理念がますます形骸化してしまう」。そんな反論が相次いだ。自民党の部会も紛糾した。「社会保障を壊してお金を儲けたいだけ」。ある厚労族の幹部は、出席した大田議長にそう怒りをぶつけた。一部の議員は「確かに利点もある。じっくり検証していくべき」と促したが、「競争に任せればいいなんてそんなはずない」「今の業界の基盤になっているものを壊してしまう」といった否定的な意見が大勢を占めていた。
自費サービスと保険適用サービスを組み合わせる混合介護の実現に注目が集まりましたが、
根強い反発も多く、今回の答申では先送りになりました。
全国一律公平を目指して策定された介護保険制度と自費サービスとの境界線がなくなることで、
将来的には生活援助のサービスについてはすべて保険外という位置づけにしていくと言い出しかねない。
やはり保険適用サービスは明確に区別することで、介護としての専門性を維持していくべきではないでしょうか。
混合介護についての情報はここでまとめておりますので、ぜひご一読ください。
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ホームヘルパー井戸端会議
「訪問介護が変わる?介護保険改正の切り札、混合介護とは」https://t.co/nARPV4yXwH pic.twitter.com/ADIdnASRnA— welconnect (@welconnect) 2017年5月24日
東京都豊島区でのモデル事業の実施にますます注目が集まりますね。
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