負担が増えて、サービスは減る。介護報酬改定の検証は?

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利用7割がサービス減 4月の介護報酬改定

4月の介護報酬改定 影響調査
 北海道民主医療機関連合会(道民医連)は13日、今年4月の介護報酬改定で利用者が受けた影響の調査結果を発表した。調査した事例のうち、受けている介護サービスが減っていたのが74%に上り、改定によりサービスが低下している可能性が浮き彫りになった。
■「費用増」は45%に 20日に無料電話相談
 調査時期は5月で、道内の居宅支援事業所などを通し、訪問介護や通所介護などのサービスを受けている121人の事例を集めた。サービスが減った理由は64%が「利用料が増えるのを抑えるため」。掃除や洗濯などの生活援助サービスの時間区分を、60分一区切りから45分に短くし、報酬単価も下げたことが大きいと見られるという。
 また、利用料が増えたのは45%で、増えた理由の80%は「3月のサービスを継続するため、サービス内容の調整をした」だった。今回の改定で通所介護などの単価が上がった影響だという。

介護報酬改定の検証が各地で行われています。
これは北海道での121人の事例ということですが、
全国で調査しても同じような結果が出ると思います。
訪問介護は事実上利用時間が削減され(60分→45分)、
通所介護は利用時間が長くなったものの、だからといって何をするわけでもなく、費用負担だけが増える(6-8時間→7-9時間)。
費用負担が大きくのしかかる訪問看護は何も変わらないはずなのにまた値上げ。
介護報酬の改定に伴って、処遇改善加算などを含めると、
利用者負担はほとんどのサービス種別で上がることになります。
通所介護も多くの事業所は時間を延長することで利用者負担が増える結果となりました。
時間延長を必要としている人もいますが、それは一部のニーズであって、
これまでも通所で独自に延長サービスを設けていても、実際利用する人は一部でした。
延長を希望しない人にも画一的にサービス延長をしている事業所が多く、
介護のマンパワーの効率化とはまったく正反対の方向に向いています。
今回の介護報酬改定には、
その分、サービスの質が上がる仕組みがあったかというと、何もありませんでした。
処遇改善加算で職員の定着率が上がれば確かにサービスの質も上がるのでしょうが、
交付金や加算で得られた報酬も基本給のアップではなく、
あくまで一時金として扱う事業所がほとんどです。
将来を見据えて介護の仕事を続けていくための希望とはなり得ないのではないでしょうか。
サービスの質の低下、非効率化、歯止めがかからない離職率、期待外れの新サービス・・・。
介護報酬改定を検証し終えたときに、果たして何が見えてくるのでしょうか。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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