介護福祉士養成校、入学定員5割を切る大ピンチ。


介護福祉士養成ピンチ、大学・専門学校で入学定員5割切る…重労働で低賃金影響

介護福祉士養成ピンチ、大学・専門学校で入学定員5割切る…重労働で低賃金影響画像の拡大

 介護職場で中核的な役割を担う「介護福祉士」を養成する全国の大学や専門学校などで2016年度、定員に対する入学者の割合が約46%だったことがわかった。

 定員割れは、データのある06年度以降11年連続で、50%を割り込んだのは2度目。定員枠自体が減少傾向にあるなかでの入学者割合の低下には、重労働の割に賃金が低い処遇が影響しているとみられる。

 調査は公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」(東京)が毎年度、厚生労働相が指定する全ての介護福祉士養成施設に実施している。16年度の定員枠が約1万6700人(377校)だったのに対し、入学者数は06年度以降最低の約7700人だった。

 定員数や入学者数は減少傾向が続いている。06年度は定員が約2万6800人(409校)、入学者数が約1万9200人だった。これと比べ、16年度は定員で約1万100人、入学者で約1万1500人少ない。

 過去最も定員割れが激しかったのは08年度で、大手事業者が全国規模の不正問題を起こし、業界全体が敬遠されたとみられる。50%を割ったのはそれ以来だ。

 厚生労働省の調査によると、賞与などを含めた介護職の給与は平均月約26万円。全産業比で約10万円低い。さらに、介護施設の夜勤に関する日本医療労働組合連合会の調査(2015年)では、夜勤をする職員の勤務時間が16時間以上だった施設は、回答した143施設のうち80施設だった。

 こうした処遇に加え、景気が回復傾向だったことも影響したようだ。介護業界の人気は「景気と反比例する」と言われ、経済が好転すると待遇の良い他業種に人材を奪われがちになる。

 東京都内のある養成校は開校以来、40人の定員をほぼ満たす入学者がいたが、16年度は24人に急減。担当者は「施設職員による入所者への虐待も後を絶たない。『ストレスの多い職場』というイメージもあり、(高校などが)生徒を送り出してくれない」と明かす。

 厚労省の推計によると、団塊の世代全てが75歳以上になる25年には、約38万人の介護職が不足するという。同省は、今年4月から介護職の給与を平均1万円増やすほか、介護福祉士を目指す学生向けの修学資金貸付制度を15年度補正予算で拡充。利用者には授業料などとして年80万円を2年分貸し、介護職として5年働くと返済を免除している。

 同省の担当者は「勤続年数で給与が上がる仕組みを業界全体に根付かせるなど、現状を地道に打開していくしかない」と話している。

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【介護福祉士】  高齢者らの介護を行う国家資格。養成校で1850時間の教育や実習を受けて卒業するか、現場で3年以上働き、研修を受けて試験に合格すると取得できる。資格取得者は、全国で約139万人(2015年9月末現在)。うち、養成校出身者は約32万人と約2割を占める。

処遇改善で魅力高めて

 介護福祉士の養成校は主に高卒者が入学しており、定員割れは、若者が介護の仕事に抱くイメージを端的に表している。

 人気がない理由の一つは、資格が魅力的な収入に結びつかないからだ。公益財団法人「介護労働安定センター」の2015年度調査によると、介護福祉士の平均月収は介護職全体とほぼ同じという。専門学校卒業までの2年間で学費が200万円前後かかることを踏まえると、志望者が増えないのもうなずける。

 給与面ばかりではない。リクルートキャリアが学生と社会人に行った調査(2015年)では、「介護は体力的にきつい」(61%)、「精神的にきつい」(54%)など否定的な見方が、「社会的意義が大きい」(39%)、「今後成長していく」(31%)など肯定的な見方を大きく上回っている。

 養成校に入らず、現場経験を積んで試験に合格する人は毎年9万人前後いて、介護福祉士の登録者数は増えている。ただ、「幅広い専門知識を持つ養成校出身者が減れば、介護の質に直結する」(厚生労働省の担当者)と指摘されるように、養成校出身者は現場の主力だ。処遇の改善を含め、介護が若者に魅力ある仕事となるよう、国や業界は知恵を絞ってほしい。(社会保障部 板垣茂良)

さすがにこれは深刻ですよね。
景気の動向に左右されやすい介護の職場ですので、現在の好景気を受けて就職希望者が減っているというのは確かに間違いありません。
不況に強い介護の職場、といえるかというと、これに関してはそうはいかないと思われます。
特に、四年制大学で介護を勉強して就職をしたとしても、その価値を十分に享受でできる職場というのは限られています。
旧態依然とした介護が横行した職場に愕然とし、介護の道をあきらめる方も多くいます。
そんなこともあり、介護系学部の閉鎖や介護専門学校の廃校・閉校も耳にすることが多くなりました。

また、介護福祉士養成校の志願者数だけでなく、介護福祉士資格の受験者数も減っています。
介護人材が不足している状況の中、介護福祉士受験のハードルを高くし、介護職員実務者研修などを課して
質の向上の名目で費用負担を強いたことも影響していると思います。

処遇改善加算をいくらつけてその場しのぎをしても、付け焼刃にしかすぎません。
業界全体で深刻な問題として取り組んでいかなければいけないでしょう。

04. 2月 2017 by admin
カテゴリー: ほろ酔い介護福祉論 | コメント

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