平成30年介護報酬改定へ。財務省が次に報酬切り下げのターゲットにしたのは、またしても・・・


平成29年4月20日、財務省で財政制度分科会が行われました。
その資料が公開されており、次期介護保険法改正・介護報酬改定にむけての具体的な内容が示されています。
介護報酬改定については財務省主導といってもいいほど大きな影響力を持つことから、
その内容に注目が集まりました。

改革の方向性の概要として、
在宅サービスについてこのように記載されています。

機能訓練などの自立支援・重度化防止に向けた質の高いサービス提供がほとんど行われていないような場合には、事業所の規模にかかわらず、基本報酬の減算措置も含めた介護報酬の適正化を図るべき。
○ 大阪府の調査を参考にしつつ、「サービス付き高齢者向け住宅」や「住宅型有料老人ホーム」といった高齢者向けの住まいを中心に、必要以上に在宅サービスの提供がなされていないか、平成30年度介護報酬改定に向けて実態調査を行った上で、給付の適正化に向けた介護報酬上の対応を検討すべき。
(参考)改革工程表
通所介護などその他の給付の適正化について、介護報酬改定の議論の過程で関係審議会等において具体的内容を検討し、平成30年度介護報酬改定で対応

機能訓練加算などを取得していない通所介護に対して、減算措置というかなり強いワードを使っています。
報酬の差別化ではないのです。減算なのです。

「機能訓練をしていないデイサービスは質の高いサービスを提供していない」
と言っているようなものです。
これはダイレクトに通所介護事業所の経営に打撃になることでしょう。

別紙資料でもこのように記載されています。

通所介護の報酬体系

通所介護については、規模が小さいほど、個別機能訓練加算の取得率が低くなる一方で、サービス提供1回当たりの単位数は高くなる傾向にあり、
規模が小さい事業所に通う利用者にとっては、機能訓練などの質の高いサービスを受ける割合が低いにもかかわらず、高い費用を支払う結果となっている。

つまり、今回の報酬改定で報酬切り下げの最大のターゲットは、機能訓練加算を行っていない小規模(地域密着型)のデイサービスです。

さらに、経営実態についての資料も提示されていますが、ここでも注目。

介護報酬改定、実態調査の結果について

○ 改定前後における介護サービス事業者の収支状況を見ると、多くの介護サービスで収支差率が低下しているものの、プラスを維持しており、特に、訪問、通所などの在宅サービスの収支差率は比較的高水準にとどまっている。
また、特別養護老人ホームについて、改定前後で「黑字を継続している施設」と「黑字から赤字となった施設」を比較すると、黑字継続施設については、改定後の減収幅が小さく、質の高いサービスに対する加算の取得等に努めたものと推察される。

通所介護の狙い撃ちが始まりました。
マイナス改定で、収支差益が低下しているのに、それでもまだ儲かっているから。
毎回報酬改定のたびにモグラたたきと言われますが、
今回は引っ込んだところをさらにひっぱたくという無慈悲さですね。

通所介護だけに限ったことではありませんが、
質の高いサービスとは何か、
要介護度の改善以外に具体的に示せる指標を持つことが出来ない限り、
介護保険サービス事業者はこれからも財務省に「質の低いサービス」と呼ばれ続けることになるのかもしれません。

23. 4月 2017 by admin
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介護保険法改正法案、衆院を通過。自己負担3割ばかりが注目されるが・・・


国会議事堂

介護保険関連法の改正案、衆院を通過 本会議で可決 3割の利用料を導入へ

介護保険関連法の改正案が18日、衆議院本会議で自民党、公明党、日本維新の会などの賛成多数により可決された。一定の所得がある高齢者の自己負担を2割から3割に引き上げることや、高齢者、障害者、児童らがともに利用できる「共生型サービス」を新設することなどが柱。参議院での審議を経て今国会で成立する見通し。

政府は自己負担を引き上げる狙いを、厳しい財政のもとで制度の持続性を確保するためだと説明している。単身で年収が340万円以上ある高齢者などが対象。受給者全体の3%程度にあたる約12万人が該当する。実施は2018年8月の予定。改正案にはこのほか、自立支援で成果をあげた自治体を財政面で優遇するインセンティブの仕組みを創設したり、市町村が小規模デイサービスの参入に歯止めをかけられるようにしたり、悪質な有料老人ホームに事業の停止を命令できるようにしたりすることも盛り込まれている。

野党は反対の姿勢を崩していない。民進党の大西健介議員はこの日の本会議で、一部の高齢者の自己負担を3割へ引き上げる判断を批判。「前回の改正で2割を導入したことで、利用者や家族が深刻な影響を受けたのではないか。その検証もしないで3割を入れるのは拙速だ」と訴えた。一方で共産党の堀内照文議員は、自立支援の推進に向けたインセンティブの仕組みについて、「介護サービスからの卒業の強要や要介護認定の厳格化、窓口での門前払いなどに自治体を駆り立てる要因になる」と再考を求めた。

介護保険関連法の改正案が衆院を通過。
来月には参院を通過するだろうとみられているようです。

大きなポイントとしては3割負担の導入で、
メディア等でもやはりこの点をクローズアップしていますね。

審議でも民進党議員がわざわざ森友問題を延々と持ち出し、
結局まともな議論もできないままに衆院通過。
それほど国民はこの改正について無関心なんでしょうか。

また、ここにさらっと登場してくる「共生型サービス」。
自己負担の問題も検証や議論は不十分だと思いますが、
こちらの問題の方が正直心配ではあります。
社会資源を有効活用するためにという意味では特に地方ではメリットとして期待できますが、
スタッフの専門性・育成など課題は大きいと思われます。
通所にしている障害者と高齢者とで、
それぞれが自分の居場所を見いだせなくなってしまう可能性も大いにあります。

もちろん、障害のサービス利用者が65歳になったから強制的に介護保険という枠組みに放り出されるという問題の
解決のための一歩としては価値のあることではありますが、
利用者負担の問題や相談窓口となる地域包括・居宅介護支援と基幹相談・計画相談の移行なども含め制度の壁は依然として高く存在しており、
まだまだこの制度間の問題については十分に検討していってほしいと思います。

19. 4月 2017 by admin
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介護サービス情報公表制度へ規制改革推進会議で飛び出した意見「もうやめちゃった方がいいんじゃないか」。


事業所の比較、できる?

介護の情報公表制度の普及へ「一層の取り組みを」 現場に協力を要請 厚労省

介護を必要とする人がサービスを適切に選択できるようにするための情報公表制度 ー 。広く社会に浸透していない現状を好転させようと、厚生労働省は自治体や関係者に協力を呼びかけている。
 
「普及に向けて一層の取り組みをお願いしたい」。10日に開催された政策説明会では、集まった都道府県などの担当者にこう要請した。市町村の公式サイトから誘導する線を増やすとともに、要支援・要介護の認定通知書とセットでパンフレットを配布したり、ケアマネジャーに紹介してもらったりするよう促している。
 
介護の情報公表制度は、利用者やその家族がサービスを比較・検討するのを助けるインフラとして、2006年4月にスタートしたもの。厚労省が管理するサイトの検索ツールを通じて、各施設・事業所の運営方針や特色、利用料、所在地、営業時間などが調べられる仕組みだ。サイトに掲載されている施設・事業所の数は、2015年度の時点でおよそ19万件にのぼっているという。
 
課題は満足に活用されていないこと。公正取引委員会が利用者や家族を対象に行った調査によると、実に92.5%が「使ったことがない」「わからない」と答えていた(昨年9月公表)。このため、種々の情報を報告する義務を負う現場での評判は総じて悪い。国会や審議会などでも度々批判されており、「いっそ民間に任せたほうがいい」といった厳しい指摘もなされてきた。

この記事では「いっそ民間にまかせたほうがいい」と紹介されていますが、
政府の規制改革推進会議でも、「もうやめちゃった方がいいんじゃないか」、という意見が出されていました。

全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議では、普及していくとして、
その中でもケアマネジャーによる活用という内容が掲載されています。
ケアマネがきちんと紹介をしないから制度がきちんと使われないといわんばかりの内容ですが、
書類のあり・なしを問うだけの内容の調査で事業所を点数化する調査を基準に利用者に選ばせるのであれば、
それこそケアマネの質が問われます。 
なんでもケアマネの責任にすり替えておこうという論調も見逃せません。

ちなみに、この制度の平成29年度の予算額は95,000,000円
それでこれだけ利用されていない、さらに調査に伴う事業所の費用負担も生じるのであれば「やめちゃったほうがいい」という意見が出るのも当然ではないでしょうか。

むしろ、事業所が独自にホームページを持ち、
写真なども含めてきちんと必要な情報を提供している場合に補助金を出す
ようにすれば、
利用者にとってはより有益なサービス比較検討の材料になるのではないでしょうか。

23. 3月 2017 by admin
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平成29年改正、処遇改善加算を前倒し拡充の概要。


昇給の仕組み明確化を 処遇改善加算、新たなルールや書類の様式を通知 来月拡充へ

介護職員の賃金を月額で1万円程度引き上げるため、来年度の臨時改定で実施される「処遇改善加算」の拡充 ー 。厚生労働省は9日、算定のルールや必要な手続き、書類の様式などをまとめた通知を更新し、都道府県などに発出した。現行の内容をおおむね踏襲しつつ、今回の見直しを反映する形で加筆・修正を行っている。「介護保険最新情報」のVol.582で周知した。

4月1日からの「処遇改善加算」の拡充は、深刻な人手不足の解消に向けた施策の一環。新たな「キャリアパス要件III」を他の全ての要件とともに満たせば、加算率が最も高い区分を取得できることとされた。

平成30年の介護保険制度改正に注目が集まっていますが、
深刻な介護職員の人材不足に対して、一年前倒しで介護職員処遇改善加算の拡充が行われます。
前回までのキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱに加え、新たにキャリアパス要件Ⅲが加えられました。
このキャリアパス要件Ⅲについて、このように説明されています。

●介護職員について、次の(1)から(3)のいずれかに該当する昇給する、もしくは昇給を判定する仕組みを設けている。

(1)経験に応じて昇給する仕組み:▽勤続年数▽経験年数―などに応じて昇給する仕組み

(2)資格などに応じて昇給する仕組み:▽介護福祉士▽実務者研修修了者―などの取得に応じて昇給する仕組み(ただし、介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることが必要)

(3)一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み:▽実技試験▽人事評価―などの結果に基づき昇給する仕組み(ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることが必要)

これまで、介護職員処遇改善は一時金という形の支払いでも認められてきたため、
定期昇給には結び付かず、介護職員のキャリア形成に効果はなかったという不満が強くありました。

今回は経験や資格等の基準に基づいて昇給する仕組みを設けているかどうかを新たなキャリアパス要件として設けました。
ただ、介護職員のワークスタイルは非常に多様なため、一定の基準に基づいた定期昇給として定めることはかなり難しいという印象もあります。

事業所は4月15日までにこの加算算定に関する計画書と添付書類を提出しなければいけないということで、
こんな年度末で、もっと余裕をもって周知をしてもらいたいものですが。
当然、利用者の負担にもかかわる問題なのですから・・・。

15. 3月 2017 by admin
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ヘルパーは指名制に?指名料制度導入で訪問介護が迎える混乱を予想した結果・・・


東京都庁

東京都、ヘルパーの指名料を提案 忙しい時間帯の上乗せ料も 特区での解禁を要請

東京都の小池百合子知事は10日、いわゆる「混合介護」を国家戦略特区のスキームを使って展開していく構想について、2018年度から豊島区でモデル事業を始めたいと政府に伝えた。都内で開かれた「特区区域会議」に出席し、ホームヘルパーの指名料を導入するなどの具体的な中身を披露。低所得者が困らないようにする仕組みも整備すると説明し、早期に実施を認めて欲しいと要請した。内閣府や厚生労働省などが対応を協議している。
 
 
東京都がこの日に提案したモデル事業は、
 
(1)介護保険サービスと保険外サービスの同時・一体的な提供
 
(2)介護保険サービスに付加価値をつけた部分への料金の設定
 
の2種類。(1)では、訪問介護の際に家族のための調理や洗濯などをセットで行うことをあげた。(2)では、重度化の予防に役立つ資格や技術を持っていたり、高いコミュニケーションスキルを備えていたりするヘルパーを、500円から3000円の上乗せで指名できるようにする。忙しい時間帯の料金を高くし、そうでない時間帯を安くすることも試す。現行の制度ではどれも認められていない。介護職員の処遇改善や多様なニーズへの対応、家族の負担軽減・不安の解消といったメリットを生み出したいという。
 
 
小池知事は会議後、「今の制度は非常に融通がききにくい面がある。本人と家族が本当に安心できる介護の方法はひとつではない。いろいろなバリエーションがある」と指摘。「今後の急速な高齢化に備えて、新しいシステム、より柔軟性のあるシステムを作っていくことが、多くの人の将来への不安を取り除くことにつながるのではないか」と語った。加えて、利用者の視点に立って混合介護を「選択的介護」と呼ぶ意向も示した。
 
会議に参加した豊島区の高野之夫区長は記者団に対し、「介護職員の処遇改善や介護離職は大きな課題。制度の持続性も確保しなければいけないなかで、新たな活路を見出すことが必要ではないか」と持論を展開。「保険者である自治体として全国初のチャレンジ。特区の認定を受けられれば、多くの区民や事業者などから広く意見を伺いつつ新しい仕組みを作り、豊島区モデルを全国に発信していきたい」と意欲をみせた。
 
2018年度からのモデル事業では、規制の緩和に伴う副作用の検証や対策の立案にも取り組む。東京都は今回、
 
・ 利用者の自由な選択と自己決定を担保する利用者保護の仕組み
 
・ 上乗せ料金が介護職員の処遇改善に確実につながる仕組み
 
・ 上乗せ料金の負担が難しい低所得者が困らない仕組み
 
を設ける方針を表明。取材に応じた東京特区推進共同事務局の鈴木亘事務局長(学習院大学経済学部教授)は、「こうした仕組みをどのように設計すれば、問題を解消してより良い制度ができるのか。それがモデル事業の最大のポイントになる」と話した。

東京都がホームヘルパーの指名制を検討していることを発表しました。
利用者は500円~3000円の指名料を支払って、希望するヘルパーに訪問をしてもらうという枠組みを検討しているということですが、
介護保険という保険給付のサービスにこれがなじむのかというと正直疑問があります。
ただでさえ人材不足が深刻化しているのが訪問介護の現場です。
指名料を払う利用者は、ケアプランに位置付けられた介護保険サービスを提供する以上の見返りを要求するようになるでしょう。

どんなヘルパーが指名料を払ってでも来てほしいと、求められるのでしょうか。
予定の時間よりも長くおしゃべりに付き合ってくれる、
窓ふきやペットの世話、家族の分の料理など介護保険で禁止されているサービスをやってくれる、
若くて愛嬌がある、
これらは本当に介護保険に位置付けられた訪問介護のヘルパーに求められるスキルなのでしょうか。
東京都はデリバリーヘルスのような風俗と同じような視点で訪問介護を見ているのでしょうか。

ホームヘルパーは介護の専門職としての評価もされないまま、
現場は疲弊し、介護職員のキャリア形成にも逆効果であることは間違いありません。

もしこれらのサービスを位置づけるのであれば、混合介護云々というより、すべて介護保険外に位置づけるしかないでしょう。
グレースケア機構など介護保険外で指名制ヘルパーをすでに行っているところはあります。
完全に保険外で行うサービスであれば問題はないのです。

これ、なし崩し的に生活援助などの訪問介護サービスを全額保険適用外に持っていこうとする方向性ですよね。
訪問介護事業所は危機感をもってこの案を見た方がいいと思います。

15. 2月 2017 by admin
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介護保険改正案が閣議決定!国会提出へ。法案内容に怒りの声が続出、そのわけは・・・


高所得者は3割負担に=介護保険法改正案を閣議決定

 政府は7日、介護保険制度の見直し内容を盛り込んだ介護保険法改正案を閣議決定した。2018年8月から現役並みに所得が高い高齢者について、介護サービス利用時の自己負担割合を現在の2割から3割に上げることが柱。対象は、年金収入のみなら年344万円以上の収入がある単身者ら約12万人で、サービス利用者の3%に当たる。
 介護保険の自己負担は原則1割だが、15年8月から、年金収入のみの場合で年収280万円以上の単身者らを対象に2割に引き上げたばかり。急速な高齢化が進む中、制度維持のため再び負担増を求める。
 40~64歳の現役世代が払う保険料(労使折半)の新たな計算方法「総報酬割」の導入も規定。17年8月~18年度に保険料の半分、19年度に4分の3、20年度に全額に適用する。全額適用した場合の保険料負担は、大企業社員ら約1300万人は増える一方、中小企業社員ら約1700万人は減り、収入に連動した負担となる。
 長期療養の高齢者らが入院し、17年度末に廃止する介護保険適用の療養病床に代わり、新たに「介護医療院」を設ける。悪質な有料老人ホームへの対策も強化。改善指導に従わない場合、自治体が事業停止命令を出すことができるようにする。

さて、介護保険法改正案が閣議決定しました。
正確には「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」なのですが、
具体的な内容は強化につながるのかと疑問でしかないです。

その中で、最も注目を集めているのが、サービス利用に伴う自己負担についてです。
所得の高い利用者の利用者負担は3割に引き上げられます
これまで原則1割だった自己負担割合は平成26年に所得の高い層だけ2割となり、
さらに今度は3割負担の層ができるということで、
これにはやはり反発も大きいようです。
2割負担になったことについての検証もままならない状況です。

3割負担になるのは、これまで2割負担の利用者のうち、
年金収入等が340万円以上の方が対象になります。
1割負担が利用者数全体の90%、
2割負担が利用者数全体の7%、
3割負担が利用者数全体の3%という割合になるとみられています。
つまり、2割負担の方のうちの3人のうち一人は3割負担になると考えていいということです。
下の図がわかりやすく、参考になるかと思います。

自己負担割合の利用者比率

その説明を誰がするかです。
2割負担の時にも、結局はケアマネに丸投げをすると。
しかも負担割合証が届くのもギリギリになってからです。
高額の負担をすることになる利用者だけでなく、
説明責任を負わされたケアマネ、
そしてそれを回収しなければいけないサービス事業者からも当然不満の声は噴出しています。
以前から3割負担を目指す方向性は各所で耳にしていましたが
2割負担を導入したばかりでここまで急ピッチで進むとは予想をしていなかったという関係者も多かったようです。

今回の改正案のポイントはすでにPDFデータで配信されていますので、ご確認ください。

他のポイントについては追ってまた紹介していきたいと思います。

11. 2月 2017 by admin
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介護療養病床は介護医療院へ転換!病院でもなく、老人ホームでもない、新名称の意味。


点滴を交換する看護師

介護療養病床は「介護医療院」へ 転換の経過期間は6年間 厚労省、自民部会で説明

厚生労働省は19日、通常国会へ提出する9つの法案の概要を自民党の厚労部会で説明した。

このうち介護保険法の改正案には、来年度末をもって廃止する介護療養病床の代わりに新設する施設の名称を、「介護医療院(仮称)」とする考えが盛り込まれている。転換の準備のために設ける経過期間は、2018年度から2023年度末までの6年間とされた。法案は2月上旬に出す予定。出席した議員から異論は出なかった。

介護療養病床の再編は、いわゆる「社会的入院」を解消して医療費の抑制につなげることが狙い。厚労省は昨年末、看取りを含めた医療サービスも受けられて「生活の場」となる新たな施設へ転換させ、重度の高齢者などの受け皿とすることに決めていた。具体的な基準や報酬は、来年度の介護報酬改定に向けたプロセスで設定する方針。

医療的ケアが必要で、在宅や施設に受け皿がないいわゆる「社会的入院」の問題を担ってきた介護療養病床ですが、
行政側は療養病床廃止の方向で老健への転換などを促してきたのですが、
平成30年の廃止予定にしていながらも、移行はなかなか進まず、平成26年になって方針転換。
「医療と介護の両方のサービスを必要とする高齢者が増加している」ことから、これまでの方針を一転、この機能を存続を決定したという経緯があります。

そもそも、介護保険のスタート自体が社会的入院という問題の解決を目指していたわけですが、
治療ができない状態でも医療ケアが必要で、在宅や特養で受け入れることが出来ない状況においては、
このような社会的入院のための受け皿は必要だという事実にようやくたどり着いたという印象です。

ただ、その名称。
介護医療院」。
そもそも、介護なのか医療なのか。
病院ではないし、老人ホームでもない。
ぱっと見、接骨院などはよく治療院といった名称を使っていることも多く、
誤解や混乱を招くことは多そうです。

2月7日に介護保険改正案が閣議決定し、
結局この名称で押し通すことになったようです。

これまでの○○病院といった病院の看板はそのまま使用していいとされていますが、
介護医療院は、あくまで「病院」ではないという厚生労働省側のメッセージが色濃く出ているような印象に感じます。
経過措置は6年ということで、
転換後の報酬改定で大幅な報酬削減が待ち構えていると危惧する声も多くなっています。

11. 2月 2017 by admin
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介護福祉士養成校、入学定員5割を切る大ピンチ。


介護福祉士養成ピンチ、大学・専門学校で入学定員5割切る…重労働で低賃金影響

介護福祉士養成ピンチ、大学・専門学校で入学定員5割切る…重労働で低賃金影響画像の拡大

 介護職場で中核的な役割を担う「介護福祉士」を養成する全国の大学や専門学校などで2016年度、定員に対する入学者の割合が約46%だったことがわかった。

 定員割れは、データのある06年度以降11年連続で、50%を割り込んだのは2度目。定員枠自体が減少傾向にあるなかでの入学者割合の低下には、重労働の割に賃金が低い処遇が影響しているとみられる。

 調査は公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」(東京)が毎年度、厚生労働相が指定する全ての介護福祉士養成施設に実施している。16年度の定員枠が約1万6700人(377校)だったのに対し、入学者数は06年度以降最低の約7700人だった。

 定員数や入学者数は減少傾向が続いている。06年度は定員が約2万6800人(409校)、入学者数が約1万9200人だった。これと比べ、16年度は定員で約1万100人、入学者で約1万1500人少ない。

 過去最も定員割れが激しかったのは08年度で、大手事業者が全国規模の不正問題を起こし、業界全体が敬遠されたとみられる。50%を割ったのはそれ以来だ。

 厚生労働省の調査によると、賞与などを含めた介護職の給与は平均月約26万円。全産業比で約10万円低い。さらに、介護施設の夜勤に関する日本医療労働組合連合会の調査(2015年)では、夜勤をする職員の勤務時間が16時間以上だった施設は、回答した143施設のうち80施設だった。

 こうした処遇に加え、景気が回復傾向だったことも影響したようだ。介護業界の人気は「景気と反比例する」と言われ、経済が好転すると待遇の良い他業種に人材を奪われがちになる。

 東京都内のある養成校は開校以来、40人の定員をほぼ満たす入学者がいたが、16年度は24人に急減。担当者は「施設職員による入所者への虐待も後を絶たない。『ストレスの多い職場』というイメージもあり、(高校などが)生徒を送り出してくれない」と明かす。

 厚労省の推計によると、団塊の世代全てが75歳以上になる25年には、約38万人の介護職が不足するという。同省は、今年4月から介護職の給与を平均1万円増やすほか、介護福祉士を目指す学生向けの修学資金貸付制度を15年度補正予算で拡充。利用者には授業料などとして年80万円を2年分貸し、介護職として5年働くと返済を免除している。

 同省の担当者は「勤続年数で給与が上がる仕組みを業界全体に根付かせるなど、現状を地道に打開していくしかない」と話している。

          ◇

【介護福祉士】  高齢者らの介護を行う国家資格。養成校で1850時間の教育や実習を受けて卒業するか、現場で3年以上働き、研修を受けて試験に合格すると取得できる。資格取得者は、全国で約139万人(2015年9月末現在)。うち、養成校出身者は約32万人と約2割を占める。

処遇改善で魅力高めて

 介護福祉士の養成校は主に高卒者が入学しており、定員割れは、若者が介護の仕事に抱くイメージを端的に表している。

 人気がない理由の一つは、資格が魅力的な収入に結びつかないからだ。公益財団法人「介護労働安定センター」の2015年度調査によると、介護福祉士の平均月収は介護職全体とほぼ同じという。専門学校卒業までの2年間で学費が200万円前後かかることを踏まえると、志望者が増えないのもうなずける。

 給与面ばかりではない。リクルートキャリアが学生と社会人に行った調査(2015年)では、「介護は体力的にきつい」(61%)、「精神的にきつい」(54%)など否定的な見方が、「社会的意義が大きい」(39%)、「今後成長していく」(31%)など肯定的な見方を大きく上回っている。

 養成校に入らず、現場経験を積んで試験に合格する人は毎年9万人前後いて、介護福祉士の登録者数は増えている。ただ、「幅広い専門知識を持つ養成校出身者が減れば、介護の質に直結する」(厚生労働省の担当者)と指摘されるように、養成校出身者は現場の主力だ。処遇の改善を含め、介護が若者に魅力ある仕事となるよう、国や業界は知恵を絞ってほしい。(社会保障部 板垣茂良)

さすがにこれは深刻ですよね。
景気の動向に左右されやすい介護の職場ですので、現在の好景気を受けて就職希望者が減っているというのは確かに間違いありません。
不況に強い介護の職場、といえるかというと、これに関してはそうはいかないと思われます。
特に、四年制大学で介護を勉強して就職をしたとしても、その価値を十分に享受でできる職場というのは限られています。
旧態依然とした介護が横行した職場に愕然とし、介護の道をあきらめる方も多くいます。
そんなこともあり、介護系学部の閉鎖や介護専門学校の廃校・閉校も耳にすることが多くなりました。

また、介護福祉士養成校の志願者数だけでなく、介護福祉士資格の受験者数も減っています。
介護人材が不足している状況の中、介護福祉士受験のハードルを高くし、介護職員実務者研修などを課して
質の向上の名目で費用負担を強いたことも影響していると思います。

処遇改善加算をいくらつけてその場しのぎをしても、付け焼刃にしかすぎません。
業界全体で深刻な問題として取り組んでいかなければいけないでしょう。

04. 2月 2017 by admin
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2016年、介護福祉重大ニュースのまとめ。


いろいろあった2016年の介護業界、印象深いニュースも多かったのですが、
今一度、ブログの記事から振り返ってみましょう。

1月
広島県福山市グループホームかざぐるま、入所者に何度も「四の字固め」。

2月
特別養護老人ホームあさひ苑で介護職が施設長の左胸を包丁で刺す。

EPA介護福祉士、訪問介護を解禁。外国人介護福祉士が自宅を訪問するということ。

3月
逆転判決。認知症男性JR事故死、監督義務について、家族の責任なしと判断。その理由は・・・

4月
熊本地震、被災された障害者・高齢者の安否は。

5月
日本ケアマネ協会、居宅介護支援費の利用者負担導入反対の署名運動開始。

モーニング娘’16鈴木香音、介護福祉士を目指すしてモーニング娘を卒業!

6月
要介護認定の簡素化・効率化へ。コピペの主治医意見書に報酬を支払う価値はあるのか

介護ロボット導入施設の介護報酬に加算。18年度介護報酬の目玉になるか?

7月
津久井やまゆり園で起こった深夜の惨劇。19人死亡、元職員の男性植松聖を逮捕。

9月
入居者9名死亡、岩手県岩泉町グループホーム楽ん楽んの被害から何を学ぶべきか。

悔しくないのか、ケアマネ?ケアプラン自己負担は本当にケアマネジメントの公平・中立性のために必要なのか?

10月
不正だらけの腐敗した介護保険制度が生まれる未来しか想像ができない財務省提言。業界団体が即刻反論すべきその内容とは

11月
高齢者ドライバーの事故続発。悲劇を繰り返さないために

12月
自己負担3割は所得上位3%程度のおよそ12万人を想定。利用者への説明責任は・・・

いろいろなニュースがありましたが、やはり印象に残っているのは相模原市の津久井やまゆり園での連続殺傷事件ではないでしょうか。
このような悲劇が二度と繰り返されないよう、この事件を
ただの一つの犯罪としてみるのではなく、施設で暮らす人たちの生命を、
介護職・福祉職としてどう守っていけばいいのか、
社会は何をすべきなのかを問いかけられている事件ともいえます。

また、続発する高齢者ドライバーの事故や、昨年の有料老人ホームアミーユでの殺人事件の続報なども含め、
メディアの関心を集めるニュースも多かったように思います。

来年は介護保険改正についても、より具体的な内容として提示されてきます。
より関心をもって情報収集を行っていくことも求められます。

来年が、いい一年であることを願います。

31. 12月 2016 by admin
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自己負担3割は所得上位3%程度のおよそ12万人を想定。利用者への説明責任は・・・


請求書を見て青ざめる

介護保険制度改革 原案 自己負担増は所得上位の約3%

厚生労働省は、来年の通常国会に提出する介護保険制度改革の関連法案の原案をまとめ、65歳以上で介護サービスを受けている人のうち、再来年8月に自己負担割合が2割から3割に引き上げられて負担が増えるのは、およそ3%の所得上位者としています。

政府は、65歳以上で介護サービスを受けている人のうち、一定の所得以上の人の自己負担割合を再来年(平成30年)8月に2割から3割に引き上げる一方、40歳から64歳の人が支払う介護保険料について、来年8月から収入が高くなるに連れて負担額も増える「総報酬割」に段階的に切り替える方針です。

これについて、厚生労働省がまとめた介護保険制度改革の関連法案の原案では、65歳以上で介護サービスの自己負担割合が3割に引き上げられて負担が増えるのは、サービスを受けている人の3%程度に当たるおよそ12万人の所得上位者としています。

また、原案には平成29年度末までに廃止する介護療養病床は、6年間の経過措置を設けたうえで3つの新たなタイプの施設に転換していくことや、高齢者と障害者が同じ事業所でデイサービスなどの共通のサービスを受けられるようにすることなどが盛り込まれています。

厚生労働省は、この原案を基に法案化作業を進め、来年の通常国会に介護保険制度改革の関連法案を提出する方針です。

今回の介護保険制度改正のポイントの一つが自己負担3割の導入です。
原案では、サービスを受けている人のうち、およそ3%の12万人の所得上位者が自己負担3割になるとみられています。
地域によっても違いはあるかと思いますが、例えばケアマネひとりが担当する利用者の標準件数は35件なので、
およそケアマネひとり担当利用者あたり、1人くらいは3割負担になる利用者がいるだろうと考えるとイメージしやすいでしょうか。
都市部の利用者などでは当然割合は多くなると思いますが。

って、2割負担が導入されたのが昨年の8月です。
その一部を3割に引き上げるにしてもそれって性急すぎるんじゃないかと。
きちんと2割負担導入について検証できているのかということについては疑問が残ります。

8月に行われた第61回社会保障審議会介護保険部会資料にそれについての記載資料があります。
審議会資料 2割負担の影響について

制度施行後の実績をみると、直近のデータ(平成28年2月サービス分)では、
2割負担に該当するのは、在宅サービス利用者のうちの9.7%、特別養護老人ホーム入所者のうちの4.1%、介護老人保健施設入所者のうちの6.2%となっている。
また、サービス毎の受給者数をみると、平成27年8月の施行前後において、対前年同月比の傾向に顕著な差は見られない

というものですが、これまで1割負担で利用していたサービスが3割になることに
納得がいかない利用者は多いでしょうし、その説明責任をケアマネや事業者に負わせるというのは明らかに乱暴としか言いようがありません。

前回の記事でも記載しておりましたが、その方向性で進んでいるという状況ではありましたので、
3割負担になる可能性がある方には制度施行前からあらかじめ丁寧な説明をしていくことが求められます。

30. 12月 2016 by admin
Categories: ほろ酔い介護福祉論 | Leave a comment

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