郵便投票を要介護3からに拡大。得する政党・損する政党、そこに見えるものは


郵便ポスト

郵便投票「要介護3・4に拡大を」 総務省研究会報告書

 選挙における投票環境の向上を検討していた総務省の研究会が13日、投票所に足を運ぶのが難しい人向けの「郵便投票」の対象を、現在認められている最重度の要介護5から、要介護4と3の人にも広げるべきだとする報告書をまとめた。実現すると、対象者は約61万人から約218万人に増えるという。

 郵便投票は、自宅に投票用紙を取り寄せて郵便で投票する仕組み。重度の身体障害者らに認められており、2004年からは要介護5の人も対象になった。

 研究会によると、15年度に要介護認定を受けた人のうち、要介護4の95・6%、要介護3の80・2%が、寝たきりや「寝たきりに近い」と判定され、投票所に出向くのが難しい状態だと推測される。

 厚生労働省の推計では要介護者は今後も増加が続く。高市早苗総務相は13日の閣議後の記者会見で「早期実現が望ましいと個人的には思うが、各党各会派で議論いただく必要がある」と述べ、国会での議論に委ねる考えを示した。

郵便による不在者投票についてですが、
以前もこのブログで紹介しましたが、郵便投票については、現時点でもまだ要介護5か、もしくは障害が重度の方に限定をされています。

これを、要介護3まで拡大しようという提案です。
なぜそもそも、投票所までの外出が困難という基準を要介護5と定めたのか、理解に苦しむ部分があるのですが。
前回、自分のブログでもこのように記載しています。

もちろん、状態が改善してスタスタ歩いている要介護5の方もいるので、
要介護度で決めつけるというのは難しいのですが、
個人的には要介護3以上を基準にしてもいいような気もします。

郵便による不在者投票には手続きも必要なので、票数としてはそれほど増えないとは思われますが、
ただ、高齢者の支持政党と言えばやはり自民党人気が根強く、
政権与党としては高齢者の投票数が増えることは望ましいという思惑もあるのでしょうね。

15. 6月 2017 by admin
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改正介護保険法成立。3割負担ばかりが注目されますが・・・


国会議事堂

現役並み所得なら3割負担=改正介護法が成立、18年8月引き上げ

 現役並みの所得がある高齢者が介護サービスを利用した際の自己負担割合を、現在の2割から3割に引き上げることを柱とした改正介護保険関連法が26日の参院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
 引き上げは2018年8月を予定。一部の高齢者には負担増となるが、介護給付費が2000年度の制度開始時と比べ、約3倍の10兆円超に膨らむ中、制度維持には所得に応じて負担を求める「応能負担」の仕組みが必要と判断した。
 厚生労働省は、単身者の場合は年収340万円(年金収入だけなら344万円)以上、夫婦世帯の場合は同463万円以上を3割負担とする方針。その数は、サービス利用者の約3%に当たる12万人という。
 40~64歳の現役世代が支払う保険料(労使折半)に関しては、「総報酬割」と呼ばれる新たな計算方法を導入。給与水準が比較的高い大企業の社員らに、より多くの負担を求める。17年8月から保険料の半分に適用し、20年度に完全移行する。

改正介護保険法が参院本会議で可決され、成立しました。
ニュースなどでも報道されていますが、やはり注目は自己負担の部分で「3割負担」がクローズアップされています。
ただ、現時点の所得要件で考えればサービス利用者のうち該当するのは3%
2割負担が導入されたときは全体の割合の10%が該当でしたので、
地域格差もあると思いますが影響は限定的と考える方がいいかもしれません。

それ以外の大きな変更としては
・療養病床→介護医療院への転換
・要介護状態改善による市町村へのインセンティブ
・保険料の総報酬割の実施
共生型サービス

というところですね。

特に注目したいのが共生型サービス。
共生型サービスはいわゆる富山型デイサービスのように、
介護保険事業所が障害福祉サービスを一元的に提供できるようになるということで
いわゆる65歳の壁が少し低くなるという印象を受けます。

共通する部分もありますが、専門性も異なるサービスの提供、
これも課題は多いと思いますが、限られた社会資源を最大限に活用していくことが求められています。

27. 5月 2017 by admin
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混合介護導入、先送りへ。根強い慎重論も


規制改革推進会議での安倍首相
画像:首相官邸ホームページ

混合介護の弾力化、慎重論に押され大きく後退 玉虫色の表現に 規制改革答申

政府の規制改革推進会議は23日の会合で、これまでの議論を総括した答申を安倍晋三首相に提出した。

いわゆる「混合介護」のより柔軟な提供を認める構想については、踏み込んだ提言を書き込めていない。「検討する」「課題や論点の整理を行う」といった玉虫色の表現にとどまり、望む方向性を明確に打ち出せなかった。厚生労働省や与党で噴き出した慎重論に押され、本来の主張から大きく後退した格好だ。

保険が適用されるサービスとされないサービスを組み合わせること。それが混合介護だ。厚労省は現在、両者の線引きをはっきりさせなければいけないと現場を指導している。

規制改革推進会議はその緩和・撤廃を目論んだ。ヘルパーが利用者の分と家族の分の掃除・洗濯をセットで済ませたり、デイサービスの時間内にショッピングへ連れて行ったりして、「介護報酬+α」の料金を取れるようにすべきと主張。能力・人気の高いヘルパーに「指名料」を設定する案や、希望する時間の「指定料」を取る案なども出した。利用者の選択肢を増やし、事業者や介護職員が収入を得るチャンスを広げるメリットがあるという。先月に発表した意見書では、早期の実現に向けて今年中にガイドラインを作るよう訴えていた

デメリットの方が大きい ー 。そう捉える人は少なくなかった。「保険外を使える人ばかりが優遇され、お金の無い人に支援が行き届かなくなる」「自立支援の理念がますます形骸化してしまう」。そんな反論が相次いだ。自民党の部会も紛糾した。「社会保障を壊してお金を儲けたいだけ」。ある厚労族の幹部は、出席した大田議長にそう怒りをぶつけた。一部の議員は「確かに利点もある。じっくり検証していくべき」と促したが、「競争に任せればいいなんてそんなはずない」「今の業界の基盤になっているものを壊してしまう」といった否定的な意見が大勢を占めていた

自費サービスと保険適用サービスを組み合わせる混合介護の実現に注目が集まりましたが、
根強い反発も多く、今回の答申では先送りになりました。
全国一律公平を目指して策定された介護保険制度と自費サービスとの境界線がなくなることで、
将来的には生活援助のサービスについてはすべて保険外という位置づけにしていくと言い出しかねない。
やはり保険適用サービスは明確に区別することで、介護としての専門性を維持していくべきではないでしょうか。

混合介護についての情報はここでまとめておりますので、ぜひご一読ください。

東京都豊島区でのモデル事業の実施にますます注目が集まりますね。

26. 5月 2017 by admin
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介護老人保健施設こころ上牧で入所者の絞殺死体が発見。午前3時20分、その場にいたのは・・・

介護老人保健施設こころ上牧

介護老人保健施設で入所者が首絞められ死亡 殺人で捜査 奈良

奈良県上牧町の介護老人保健施設で、10日未明、入所していた97歳の女性が、自分の個室で死亡しているのが見つかり、警察が詳しく調べた結果、首を絞められて窒息死したことがわかりました。警察は殺人事件として、捜査を始めました。

10日午前3時20分ごろ、奈良県上牧町の介護老人保健施設「こころ上牧」の職員から、「入所者の女性の心臓が止まっている」と消防に通報がありました。

警察によりますと、この女性は入所している森本ミツヱさん(97)で、まもなく死亡が確認され、警察が遺体を詳しく調べた結果、首を絞められて窒息死したことが10日夜になってわかり、警察は殺人事件として捜査を始めました。

警察の調べによりますと、森本さんは自分の個室にあるベッドの脇の床に倒れていて、見つかる2時間ほど前に職員が巡回した時には、ベッドの上で寝ていて異常はなかったということです。

この施設を運営する兵庫県姫路市にある社会福祉法人のホームページによりますと、施設は平成18年に開業し、入所者の定員は80人で、5階建ての建物のうちの2階から5階部分に入所者用の居室が設けられています。

警察は施設の関係者などから話を聞くなどして、不審な人物がいなかったかどうか、捜査を進めています。

奇怪な事件です。
わかっていることをまとめると、

・発見は深夜3時20分、巡回中の職員が首を絞められて死亡している入所者(要介護3)を発見。
・首には紐のようなもので絞められた跡があった。
第一発見者は当直でフロアを担当していた男性介護職員(54歳)。
・2時間前の巡回時には異常がなかった。
施設は施錠されており、各階を移動するエレベーターも暗証番号でロックされており、職員以外移動はできない。
・当日の入所者は75名。事件のあった4階には19名が入所していた。
当直の職員は介護職員4名と看護師1名。来所者等はいなかった。
・個室ユニット型の介護老人保健施設。

こころ上牧棟内見取り図
介護老人保健施設こころ上牧HPより、2~5階の見取り図)

警察は事件事故の両面から捜査をしておりましたが、現在は殺人事件とみて捜査を進めているとのことです。
紐のようなもので首を絞められたにしても、その紐自体が見つからなかったので、おそらく殺人であろうというのはわかるのですが、
殺人の線に切り替えていると公にしている以上は、ある程度の確証があるのかもしれません。
殺人が可能だとしたら、4階に入所していた19名の利用者か、第一発見者で当直をしていた男性介護職員、あとは各フロアを移動する看護師。
入所者が紐のようなものを持ち出し、当直の職員に気付かれずに被害者の個室へ移動し、
さらにその証拠を隠滅することが出来たかどうかというと疑問があるので、
疑われるのは当直の職員になりそうです。
ベッドのわきに倒れていたということで、夜間ベッドから立ち上がろうとしたところを当直の職員が制止したもののきかず、
逆上した職員が紐で首を絞めるという可能性が浮かびます。

以前もSアミーユ川崎幸町で起こった介護職員による連続殺人のニュースなども取り上げましたが、
そういった事件のイメージが強いので、当直の職員に疑いの目が向けられてしまうかと思います。

いずれにしても、事件の早期の解決を望みます。
また、これが職員の犯行でないことも願います。

14. 5月 2017 by admin
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介護給付費分科会、介護報酬改定までのスケジュールを提示。今後の議論のポイントは・・・


厚生労働省

介護報酬改定へ審議会が議論開始 論点に生活援助や科学的介護、通所、処遇改善

介護報酬を議論する社会保障審議会・介護給付費分科会が26日に会合を開き、次の2018年度の改定に向けた議論を開始した。

厚生労働省は現時点で想定している主な論点を提示。生活援助を中心とする訪問介護の人員基準を緩和し、それに合わせて報酬を引き下げることの是非を盛り込んだ。エビデンスに基づく効果的な自立支援を重視する「科学的介護」を推進したり、見守りセンサーやICT、ロボットを活かした効率化を促したりすることも含まれている。

今後のスケジュールはおおむね例年通り。これから月2回程度のペースで開催し、秋から具体的な施策を固めていく各論の協議に入る。年末に大枠の方針を決定し、1月下旬か2月上旬には新たな報酬・基準をアナウンスする予定だ。

厚労省はこの日、

○ デイサービスとデイケアの役割分担・機能強化

○ 小規模多機能や定期巡回・随時対応サービスなどの提供量の増加、機能強化、効率化に向けた人員基準・利用定員のあり方

○ 特養の医療ニーズや看取りへの対応力をさらに強化する仕組み

○ 入院・退院時のケアマネジャーと医療機関の連携の強化

○ 新たな「介護医療院」の報酬・基準のあり方

などの論点も提示した。このほか、障害者も受け入れる「共生型サービス」やケアマネの「特定事業所集中減算」、介護職員の「処遇改善加算」などのあり方も重要なテーマとなる。

平成30年の介護報酬改定に向けた議論が社会保障審議会介護給付費分科会でスタートしました。
ここまでの論点の整理と報酬改定までの具体的なスケジュールが示されています。

【平成29年】
4月~夏頃 : 各介護サービス等の主な論点について議論
事業者団体ヒアリング
平成28年12月の介護保険部会意見書や療養病床の在り方等に関する特別部会意見書に盛り込まれた事項等について、おおむね月2回ペースで議論
<検討事項の例>
・通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化
・小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の、サービス提供量の増加や機能強化・効率化の観点からの人員基準や利用定員等のあり方
・特別養護老人ホームの施設内での医療ニーズや看取りに、より一層対応できるような仕組み
・入退院時における入院医療機関と居宅介護支援事業所等との連携
・ロボット・ICT・センサーを活用している事業所に対する報酬・人員基準等のあり方
・訪問介護における生活援助を中心にサービス提供を行う場合の緩和された人員基準のあり方
・介護医療院の報酬・基準や各種の転換支援策

秋頃~12月 : 各介護サービス等の具体的な方向性について議論

12月中旬 : 報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・取りまとめ
※地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。

平成30年度政府予算編成

【平成30年】
1~2月頃 介護報酬改定案 諮問・答申

4月 介護報酬改定

おおむね月二回ペースでの議論が行われていきますが、
大筋についてはすでにこのブログでも触れてきたような内容になってくることでしょう。
要は、スケジュールの中で<検討事項の例>としてあげた内容をポイントにしていきますよと考えていいでしょう。

やわらかい表現で書いているようですが、少々乱暴に言い換えると・・・

・通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化 → 「機能訓練等ADLの改善につながらない通所は報酬減らすよ。あ、通所リハは時間短くして」
・小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の~ → 「小規模多機能と定期巡回をくっつけた事業所作れない?」
・入退院時における入院医療機関と居宅介護支援事業所等との連携 → 「ケアマネの仕事の内容で評価していく。医療連携できないケアマネはいらない」
・ロボット・ICT・センサーを活用している事業所に対する報酬・人員基準等のあり方 → 「人手不足を補いたいし、この分野で世界的にリードしていきたい」
・訪問介護における生活援助を中心にサービス提供を行う場合の緩和された人員基準のあり方 → 「人員基準も緩和するから(という建前で)報酬削るよ」
・介護医療院の報酬・基準や各種の転換支援策 → 「最初から報酬あまり削れないしなぁ・・・」

という感じでしょうか。

具体的な介護報酬が示されるのはいつも通りぎりぎりになってからだと思いますので、
慌てふためかないようにしっかり情報収集をしていきましょう。

29. 4月 2017 by admin
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平成30年介護報酬改定へ。財務省が次に報酬切り下げのターゲットにしたのは、またしても・・・


平成29年4月20日、財務省で財政制度分科会が行われました。
その資料が公開されており、次期介護保険法改正・介護報酬改定にむけての具体的な内容が示されています。
介護報酬改定については財務省主導といってもいいほど大きな影響力を持つことから、
その内容に注目が集まりました。

改革の方向性の概要として、
在宅サービスについてこのように記載されています。

機能訓練などの自立支援・重度化防止に向けた質の高いサービス提供がほとんど行われていないような場合には、事業所の規模にかかわらず、基本報酬の減算措置も含めた介護報酬の適正化を図るべき。
○ 大阪府の調査を参考にしつつ、「サービス付き高齢者向け住宅」や「住宅型有料老人ホーム」といった高齢者向けの住まいを中心に、必要以上に在宅サービスの提供がなされていないか、平成30年度介護報酬改定に向けて実態調査を行った上で、給付の適正化に向けた介護報酬上の対応を検討すべき。
(参考)改革工程表
通所介護などその他の給付の適正化について、介護報酬改定の議論の過程で関係審議会等において具体的内容を検討し、平成30年度介護報酬改定で対応

機能訓練加算などを取得していない通所介護に対して、減算措置というかなり強いワードを使っています。
報酬の差別化ではないのです。減算なのです。

「機能訓練をしていないデイサービスは質の高いサービスを提供していない」
と言っているようなものです。
これはダイレクトに通所介護事業所の経営に打撃になることでしょう。

別紙資料でもこのように記載されています。

通所介護の報酬体系

通所介護については、規模が小さいほど、個別機能訓練加算の取得率が低くなる一方で、サービス提供1回当たりの単位数は高くなる傾向にあり、
規模が小さい事業所に通う利用者にとっては、機能訓練などの質の高いサービスを受ける割合が低いにもかかわらず、高い費用を支払う結果となっている。

つまり、今回の報酬改定で報酬切り下げの最大のターゲットは、機能訓練加算を行っていない小規模(地域密着型)のデイサービスです。

さらに、経営実態についての資料も提示されていますが、ここでも注目。

介護報酬改定、実態調査の結果について

○ 改定前後における介護サービス事業者の収支状況を見ると、多くの介護サービスで収支差率が低下しているものの、プラスを維持しており、特に、訪問、通所などの在宅サービスの収支差率は比較的高水準にとどまっている。
また、特別養護老人ホームについて、改定前後で「黑字を継続している施設」と「黑字から赤字となった施設」を比較すると、黑字継続施設については、改定後の減収幅が小さく、質の高いサービスに対する加算の取得等に努めたものと推察される。

通所介護の狙い撃ちが始まりました。
マイナス改定で、収支差益が低下しているのに、それでもまだ儲かっているから。
毎回報酬改定のたびにモグラたたきと言われますが、
今回は引っ込んだところをさらにひっぱたくという無慈悲さですね。

通所介護だけに限ったことではありませんが、
質の高いサービスとは何か、
要介護度の改善以外に具体的に示せる指標を持つことが出来ない限り、
介護保険サービス事業者はこれからも財務省に「質の低いサービス」と呼ばれ続けることになるのかもしれません。

23. 4月 2017 by admin
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介護保険法改正法案、衆院を通過。自己負担3割ばかりが注目されるが・・・


国会議事堂

介護保険関連法の改正案、衆院を通過 本会議で可決 3割の利用料を導入へ

介護保険関連法の改正案が18日、衆議院本会議で自民党、公明党、日本維新の会などの賛成多数により可決された。一定の所得がある高齢者の自己負担を2割から3割に引き上げることや、高齢者、障害者、児童らがともに利用できる「共生型サービス」を新設することなどが柱。参議院での審議を経て今国会で成立する見通し。

政府は自己負担を引き上げる狙いを、厳しい財政のもとで制度の持続性を確保するためだと説明している。単身で年収が340万円以上ある高齢者などが対象。受給者全体の3%程度にあたる約12万人が該当する。実施は2018年8月の予定。改正案にはこのほか、自立支援で成果をあげた自治体を財政面で優遇するインセンティブの仕組みを創設したり、市町村が小規模デイサービスの参入に歯止めをかけられるようにしたり、悪質な有料老人ホームに事業の停止を命令できるようにしたりすることも盛り込まれている。

野党は反対の姿勢を崩していない。民進党の大西健介議員はこの日の本会議で、一部の高齢者の自己負担を3割へ引き上げる判断を批判。「前回の改正で2割を導入したことで、利用者や家族が深刻な影響を受けたのではないか。その検証もしないで3割を入れるのは拙速だ」と訴えた。一方で共産党の堀内照文議員は、自立支援の推進に向けたインセンティブの仕組みについて、「介護サービスからの卒業の強要や要介護認定の厳格化、窓口での門前払いなどに自治体を駆り立てる要因になる」と再考を求めた。

介護保険関連法の改正案が衆院を通過。
来月には参院を通過するだろうとみられているようです。

大きなポイントとしては3割負担の導入で、
メディア等でもやはりこの点をクローズアップしていますね。

審議でも民進党議員がわざわざ森友問題を延々と持ち出し、
結局まともな議論もできないままに衆院通過。
それほど国民はこの改正について無関心なんでしょうか。

また、ここにさらっと登場してくる「共生型サービス」。
自己負担の問題も検証や議論は不十分だと思いますが、
こちらの問題の方が正直心配ではあります。
社会資源を有効活用するためにという意味では特に地方ではメリットとして期待できますが、
スタッフの専門性・育成など課題は大きいと思われます。
通所にしている障害者と高齢者とで、
それぞれが自分の居場所を見いだせなくなってしまう可能性も大いにあります。

もちろん、障害のサービス利用者が65歳になったから強制的に介護保険という枠組みに放り出されるという問題の
解決のための一歩としては価値のあることではありますが、
利用者負担の問題や相談窓口となる地域包括・居宅介護支援と基幹相談・計画相談の移行なども含め制度の壁は依然として高く存在しており、
まだまだこの制度間の問題については十分に検討していってほしいと思います。

19. 4月 2017 by admin
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介護サービス情報公表制度へ規制改革推進会議で飛び出した意見「もうやめちゃった方がいいんじゃないか」。


事業所の比較、できる?

介護の情報公表制度の普及へ「一層の取り組みを」 現場に協力を要請 厚労省

介護を必要とする人がサービスを適切に選択できるようにするための情報公表制度 ー 。広く社会に浸透していない現状を好転させようと、厚生労働省は自治体や関係者に協力を呼びかけている。
 
「普及に向けて一層の取り組みをお願いしたい」。10日に開催された政策説明会では、集まった都道府県などの担当者にこう要請した。市町村の公式サイトから誘導する線を増やすとともに、要支援・要介護の認定通知書とセットでパンフレットを配布したり、ケアマネジャーに紹介してもらったりするよう促している。
 
介護の情報公表制度は、利用者やその家族がサービスを比較・検討するのを助けるインフラとして、2006年4月にスタートしたもの。厚労省が管理するサイトの検索ツールを通じて、各施設・事業所の運営方針や特色、利用料、所在地、営業時間などが調べられる仕組みだ。サイトに掲載されている施設・事業所の数は、2015年度の時点でおよそ19万件にのぼっているという。
 
課題は満足に活用されていないこと。公正取引委員会が利用者や家族を対象に行った調査によると、実に92.5%が「使ったことがない」「わからない」と答えていた(昨年9月公表)。このため、種々の情報を報告する義務を負う現場での評判は総じて悪い。国会や審議会などでも度々批判されており、「いっそ民間に任せたほうがいい」といった厳しい指摘もなされてきた。

この記事では「いっそ民間にまかせたほうがいい」と紹介されていますが、
政府の規制改革推進会議でも、「もうやめちゃった方がいいんじゃないか」、という意見が出されていました。

全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議では、普及していくとして、
その中でもケアマネジャーによる活用という内容が掲載されています。
ケアマネがきちんと紹介をしないから制度がきちんと使われないといわんばかりの内容ですが、
書類のあり・なしを問うだけの内容の調査で事業所を点数化する調査を基準に利用者に選ばせるのであれば、
それこそケアマネの質が問われます。 
なんでもケアマネの責任にすり替えておこうという論調も見逃せません。

ちなみに、この制度の平成29年度の予算額は95,000,000円
それでこれだけ利用されていない、さらに調査に伴う事業所の費用負担も生じるのであれば「やめちゃったほうがいい」という意見が出るのも当然ではないでしょうか。

むしろ、事業所が独自にホームページを持ち、
写真なども含めてきちんと必要な情報を提供している場合に補助金を出す
ようにすれば、
利用者にとってはより有益なサービス比較検討の材料になるのではないでしょうか。

23. 3月 2017 by admin
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平成29年改正、処遇改善加算を前倒し拡充の概要。


昇給の仕組み明確化を 処遇改善加算、新たなルールや書類の様式を通知 来月拡充へ

介護職員の賃金を月額で1万円程度引き上げるため、来年度の臨時改定で実施される「処遇改善加算」の拡充 ー 。厚生労働省は9日、算定のルールや必要な手続き、書類の様式などをまとめた通知を更新し、都道府県などに発出した。現行の内容をおおむね踏襲しつつ、今回の見直しを反映する形で加筆・修正を行っている。「介護保険最新情報」のVol.582で周知した。

4月1日からの「処遇改善加算」の拡充は、深刻な人手不足の解消に向けた施策の一環。新たな「キャリアパス要件III」を他の全ての要件とともに満たせば、加算率が最も高い区分を取得できることとされた。

平成30年の介護保険制度改正に注目が集まっていますが、
深刻な介護職員の人材不足に対して、一年前倒しで介護職員処遇改善加算の拡充が行われます。
前回までのキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱに加え、新たにキャリアパス要件Ⅲが加えられました。
このキャリアパス要件Ⅲについて、このように説明されています。

●介護職員について、次の(1)から(3)のいずれかに該当する昇給する、もしくは昇給を判定する仕組みを設けている。

(1)経験に応じて昇給する仕組み:▽勤続年数▽経験年数―などに応じて昇給する仕組み

(2)資格などに応じて昇給する仕組み:▽介護福祉士▽実務者研修修了者―などの取得に応じて昇給する仕組み(ただし、介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることが必要)

(3)一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み:▽実技試験▽人事評価―などの結果に基づき昇給する仕組み(ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることが必要)

これまで、介護職員処遇改善は一時金という形の支払いでも認められてきたため、
定期昇給には結び付かず、介護職員のキャリア形成に効果はなかったという不満が強くありました。

今回は経験や資格等の基準に基づいて昇給する仕組みを設けているかどうかを新たなキャリアパス要件として設けました。
ただ、介護職員のワークスタイルは非常に多様なため、一定の基準に基づいた定期昇給として定めることはかなり難しいという印象もあります。

事業所は4月15日までにこの加算算定に関する計画書と添付書類を提出しなければいけないということで、
こんな年度末で、もっと余裕をもって周知をしてもらいたいものですが。
当然、利用者の負担にもかかわる問題なのですから・・・。

15. 3月 2017 by admin
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ヘルパーは指名制に?指名料制度導入で訪問介護が迎える混乱を予想した結果・・・


東京都庁

東京都、ヘルパーの指名料を提案 忙しい時間帯の上乗せ料も 特区での解禁を要請

東京都の小池百合子知事は10日、いわゆる「混合介護」を国家戦略特区のスキームを使って展開していく構想について、2018年度から豊島区でモデル事業を始めたいと政府に伝えた。都内で開かれた「特区区域会議」に出席し、ホームヘルパーの指名料を導入するなどの具体的な中身を披露。低所得者が困らないようにする仕組みも整備すると説明し、早期に実施を認めて欲しいと要請した。内閣府や厚生労働省などが対応を協議している。
 
 
東京都がこの日に提案したモデル事業は、
 
(1)介護保険サービスと保険外サービスの同時・一体的な提供
 
(2)介護保険サービスに付加価値をつけた部分への料金の設定
 
の2種類。(1)では、訪問介護の際に家族のための調理や洗濯などをセットで行うことをあげた。(2)では、重度化の予防に役立つ資格や技術を持っていたり、高いコミュニケーションスキルを備えていたりするヘルパーを、500円から3000円の上乗せで指名できるようにする。忙しい時間帯の料金を高くし、そうでない時間帯を安くすることも試す。現行の制度ではどれも認められていない。介護職員の処遇改善や多様なニーズへの対応、家族の負担軽減・不安の解消といったメリットを生み出したいという。
 
 
小池知事は会議後、「今の制度は非常に融通がききにくい面がある。本人と家族が本当に安心できる介護の方法はひとつではない。いろいろなバリエーションがある」と指摘。「今後の急速な高齢化に備えて、新しいシステム、より柔軟性のあるシステムを作っていくことが、多くの人の将来への不安を取り除くことにつながるのではないか」と語った。加えて、利用者の視点に立って混合介護を「選択的介護」と呼ぶ意向も示した。
 
会議に参加した豊島区の高野之夫区長は記者団に対し、「介護職員の処遇改善や介護離職は大きな課題。制度の持続性も確保しなければいけないなかで、新たな活路を見出すことが必要ではないか」と持論を展開。「保険者である自治体として全国初のチャレンジ。特区の認定を受けられれば、多くの区民や事業者などから広く意見を伺いつつ新しい仕組みを作り、豊島区モデルを全国に発信していきたい」と意欲をみせた。
 
2018年度からのモデル事業では、規制の緩和に伴う副作用の検証や対策の立案にも取り組む。東京都は今回、
 
・ 利用者の自由な選択と自己決定を担保する利用者保護の仕組み
 
・ 上乗せ料金が介護職員の処遇改善に確実につながる仕組み
 
・ 上乗せ料金の負担が難しい低所得者が困らない仕組み
 
を設ける方針を表明。取材に応じた東京特区推進共同事務局の鈴木亘事務局長(学習院大学経済学部教授)は、「こうした仕組みをどのように設計すれば、問題を解消してより良い制度ができるのか。それがモデル事業の最大のポイントになる」と話した。

東京都がホームヘルパーの指名制を検討していることを発表しました。
利用者は500円~3000円の指名料を支払って、希望するヘルパーに訪問をしてもらうという枠組みを検討しているということですが、
介護保険という保険給付のサービスにこれがなじむのかというと正直疑問があります。
ただでさえ人材不足が深刻化しているのが訪問介護の現場です。
指名料を払う利用者は、ケアプランに位置付けられた介護保険サービスを提供する以上の見返りを要求するようになるでしょう。

どんなヘルパーが指名料を払ってでも来てほしいと、求められるのでしょうか。
予定の時間よりも長くおしゃべりに付き合ってくれる、
窓ふきやペットの世話、家族の分の料理など介護保険で禁止されているサービスをやってくれる、
若くて愛嬌がある、
これらは本当に介護保険に位置付けられた訪問介護のヘルパーに求められるスキルなのでしょうか。
東京都はデリバリーヘルスのような風俗と同じような視点で訪問介護を見ているのでしょうか。

ホームヘルパーは介護の専門職としての評価もされないまま、
現場は疲弊し、介護職員のキャリア形成にも逆効果であることは間違いありません。

もしこれらのサービスを位置づけるのであれば、混合介護云々というより、すべて介護保険外に位置づけるしかないでしょう。
グレースケア機構など介護保険外で指名制ヘルパーをすでに行っているところはあります。
完全に保険外で行うサービスであれば問題はないのです。

これ、なし崩し的に生活援助などの訪問介護サービスを全額保険適用外に持っていこうとする方向性ですよね。
訪問介護事業所は危機感をもってこの案を見た方がいいと思います。

15. 2月 2017 by admin
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