コムスン、グループ内譲渡を発表…介護事業継続を狙う
訪問介護大手「コムスン」(東京都港区)が、厚生労働省から介護事業所の新規指定などが認められなくなった問題で、親会社のグッドウィル・グループ(GWG)は6日、コムスンの全事業を、同グループ連結子会社の施設介護会社、日本シルバーサービス(東京都目黒区)に譲渡する方針を決めたと発表した。
GWGは、「顧客へのサービス継続と従業員の雇用の確保を最優先するため」としている。
厚労省の指導で介護事業所の新規指定と更新が5年間認められなくなり、コムスンの事業所は現在の2081事業所から2011年度には426事業所にまで減少する見通しとなった。GWGは、日本シルバーサービスに事業を譲渡することで、コムスンが行っている訪問介護事業は継続できるようになるとしている。
一方、厚労省老健局の古都(ふるいち)賢一・振興課長は「ホームページを見て初めて知った。役員が交代するなどすれば、5年を待たずに指定申請することはできる」との考えを示した。ただ、「利用者サービスを守るためなのか処分逃れのためなのか不明で、事情をよく聞く必要がある。改めて指定申請しても、親会社は同じなので、審査は当然、厳しくなる」と話している。
厚労省はサービス停止に伴う混乱を避けるため、利用者への説明や他の事業者への紹介を徹底するようコムスンに求めている。
先ほどのニュースの続報です。
コムスンのオフィシャルサイトでの発表はこちらになります。
ホームページに掲載されている、厚生労働大臣から感謝状を受けたというニュースがかなり切なく感じますね。
が、厚生労働省の反応から見ると、
現在の事業をそのまま譲渡し、そのままサービスを継続するということは難しそうです。
コムスンの介護事業は大幅に縮小されて、別会社で展開される、というところに落ち着くのではないでしょうか。
介護事業は継続性が重要です。
それまで培ってきたヘルパーとの信頼関係や、プライバシーを極めて多く含んだ情報、
そして長期短期にわたる自立へ向けた目標設定。
この継続性が簡単にたたれてしまうというのは、
事業所にとってだけではなく、サービス利用者にとっても大きな打撃です。
また新しい人間関係を築き、もう一度契約や情報の提供を行い、サービスの提供時間や内容さえ変更されるおそれもあります。
認知症であったり、変化に対応することの難しい利用者さんも少なくありません。
介護事業は継続性があって、はじめて意味を持つサービスなのです。
コムスンの事業所すべてが不正をしていたわけでもない、
むしろ、多くの事業所はそんな状況下でも適正なサービスを提供していたはずです。
そこには現場スタッフの献身的な活躍があり、こうして事業を存続させてきたわけです。
願わくば、この件により活躍の場を失うことになるスタッフの方々が、
もう一度介護の仕事を続けてくれることを期待します。
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