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2007年09月28日

問題はコムスンにだけあったのか。

グッドウィル折口会長、株主総会で不正問題を謝罪

 グッドウィル・グループの株主総会が28日、東京都内のホテルであった。折口雅博代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)が、子会社コムスンの一連の不正問題について株主に「多大なご迷惑とご心配をおかけした」と謝罪。介護事業から全面撤退し、人材派遣事業で経営を立て直す方針を示した。

 午前10時からの総会には792人が出席。前年より1時間ほど長い約3時間で終わった。法令順守体制強化のため元検事の赤松幸夫氏ら3人が社外取締役に就くなど、経営側提案の3議案は承認された。株主からは「不正問題の真相を教えてほしい」「信用して株を買ったのに大損をした」などと経営陣を非難する意見が相次いだ。

 折口会長は、07年6月期連結決算で407億円の当期赤字となり、上場以来初の無配になったことも陳謝。08年6月期は、人材派遣事業に集中することで120億円の当期黒字への転換と、復配をめざすとした。

不正請求・不正申請ばかりが問題視されているコムスンですが、
実際は不正を行ったことではなく、
それに対する行政処分(取得した報酬の返還)への対応があまりに不誠実だったためにこのような事態となったわけです。
現に、同じ不正を行っていたニチイとジャパンケアとがコムスンの事業の大部分を受け継いで
大きく事業拡大しているわけですから。

今回のような事態になったのその背景を分析できなければ、
人材派遣分野でも同じように痛手を受けることは十分ありえるかなと思います。

また、こういった事態を生んでしまった厚生労働省の介護保険運営にも疑問が残ります。
ニチイやジャパンケアも含め、反省すべきなのは本当にコムスンだけなのか、
事業者はもう一度見直してみる必要があるのではないでしょうか。

2007年09月26日

介護殺人。「生き残ったのだから、ご主人の分まで生きてください」

認知症の夫の介護に疲れ絞殺、妻に懲役4年…山口地裁判決

 介護に思い悩み認知症の夫を絞殺したとして、殺人罪に問われた山口県周南市清光台町、間八重子被告(67)の判決公判が26日、山口地裁で開かれた。山本恵三裁判長は「周りに迷惑をかけないよう一人で介護を担っていた被告が将来を悲観した衝動的な犯行だが、公的、私的に援助を求める手だてがあったのに取らなかった」として、懲役4年(求刑・懲役7年)を言い渡した。

 判決によると、間被告は認知症を発症した夫の紀裕(のりやす)さん(当時67歳)を約2年間、自宅で介護していた。だが症状が悪化し、介護に疲れ果てたことなどから、夫を殺害して自殺しようと決意。5月8日午後11時ごろ、居間で寝ていた紀裕さんの首をネクタイで絞めて窒息死させた。間被告も自殺を図ったが未遂に終わった。

 言い渡し後、山本裁判長が「生き残ったのだから、ご主人の分まで生きてください」と諭した。

介護を社会化するというのが介護保険の目的であるならば、
介護を一人で背負おうとしていた被告の行動は介護保険のテーマに反するものであったわけです。

そこで、なぜサービスを利用しなかったのか、サービスを使うのに何らかの障害や使いづらさがあったのか、
どうすればこの夫婦はこんな結末を迎えずにすんだのか、
そういった部分が掘り起こされていくことを期待します。

けれど、
「生き残ったのだから、ご主人の分まで生きてください」
という言葉はずいぶんと重いですね。。。

福田新総理で変わる障害者自立支援法?

障害者自立支援法見直し 福田氏公約、野党側に配慮

 自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長の総裁選公約が十五日、明らかになった。福田氏は、これまで政府が消極的だった障害者自立支援法の抜本見直しや、高齢者医療費負担増の凍結の検討を公約に盛り込んだ。

 民主党は現行の障害者のサービス利用料の一割負担を凍結する同法改正案を今国会に提出する方向で検討している。高齢者医療費をめぐっても、来年四月から高齢者の窓口負担が引き上げられることになり、民主党をはじめ野党が強く反発している。参院で多数派となった野党側への配慮がにじむ内容といえる。

 福田氏の公約の題名は「希望と安心のくにづくり 若い人に希望を、お年寄りに安心を」。

 基本理念として(1)自立と共生の社会(2)ストック型の社会(3)男女共同参画の社会−を掲げている。

福田新総裁が誕生し、
どうやら小泉・安倍政権による弱肉強食政治は方向転換を迫られているようです。

そのひとつとして、
福田新総裁は障害者自立支援法の自己負担に関する見直しを提案しています。
これが、介護保険と自立支援法の統合という未来図を見越した上でのことであれば、
時限的なパフォーマンスとしか映らないと思いますが、
ひょっとして、それ自体を見直して、障害者サービスは公費負担に切り替える方針なのか。
この段階では何ともいえませんが、
これからの舵取りに注目していきたいと思います。

消費税の引き上げも検討しているので、
自己負担がなくなったのに負担は重くなったり・・・、なんて。

2007年09月23日

コムスン譲渡先問題、ようやく決着?高級老人ホーム売却。

高級老人ホーム、360億円で売却 介護譲渡ほぼ終了

 介護事業から撤退するグッドウィル・グループは21日、高級老人ホーム事業を不動産コンサルティング「ゼクス」(東京都千代田区)に譲渡すると発表した。譲渡額は360億円以上で、サービス移行日は12月1日。撤退に向けた契約はほぼ終了し、訪問介護事業などを含む全体の譲渡額は630億円程度となる。

 ゼクスは子会社を通じて有料老人ホームや高齢者向け住宅を全国展開しており、グッドウィルから東京都内の6施設(利用者約340人)と従業員220人を引き継ぐ。

ようやくコムスンが行っていた事業の譲渡先がほぼ決定しました。
高級老人ホームはやはり不動産系の企業が譲渡を受けるという形になりました。

ただ、まだ譲渡問題が解決したわけではありません。
譲渡後も継続してサービスが提供されるのか、
利用者にいかに混乱を与えずに移行できるのか、
まだまだ課題は山積しています。
譲渡を受けた各事業者の動向にも注目していきましょう。

高齢者虐待調査。通報するのは誰?

高齢者虐待 息子が37%…06年度厚労省調査

 高齢者に対する虐待が2006年度、家庭内で1万2575件、施設内で53件の計1万2628件あったことが21日、厚生労働省が高齢者虐待防止法施行後、初めて行った全国調査で分かった。

 家庭内における虐待者は息子と夫で半数を占めた。市町村の9割以上に対応窓口が設置されたが、早期発見・見守りの体制づくりに取り組む市町村は4割弱にとどまるなど、自治体の課題も浮き彫りになった。

 調査は虐待防止法に基づき、全国の1829市町村と47都道府県に、虐待件数や対応状況などを聞いた。

 市町村が06年度に受け付けた家庭内の虐待に関する相談や通報は1万8393件。通報者の41%がケアマネジャーなど介護関係者だったが、虐待を受けた高齢者本人からの通報も12%あった。このうち、市町村が虐待と判断した事例は1万2575件に上った。

 虐待者は息子(37%)が最も多く、次いで夫(14%)、娘(14%)の順。国民生活基礎調査(2004年)によると、家庭内の主な介護の担い手は75%が女性であるにもかかわらず、男性による虐待の割合が高い実態が明らかになった。

 虐待の種類で最も多いのは、暴行を加えるなどの「身体的虐待」(64%)。暴言を吐くなどの「心理的虐待」(36%)、「介護放棄(ネグレクト)」(29%)、財産を奪うなどの「経済的虐待」(27%)が続いた。

 一方、虐待を受けた高齢者は女性が77%を占めており、84%が同居している人から虐待を受けていた。

 特別養護老人ホームなど施設内の虐待件数は53件。約8割が介護職員による虐待だが、「施設長」や「開設者」などによる虐待も約1割あった。

高齢者虐待に関する調査ですが、
数字を見ただけでは何も判断できないのが虐待というもので、
目に見えないところに隠れている虐待が大多数なわけですから。

ただ、気になることとして、
家庭内での虐待に関しては通報者の41%が介護職員であったことに対して、

施設での虐待の通報者で最も多いのが利用者の親族(25%)だということです。


一方で家庭内で行われている虐待に対して客観的で冷静に判断できる目を持ち、
一方で身近に行われている虐待に対して鈍感であるという介護職の姿が浮き彫りになります。

 介護施設などでの虐待は特別養護老人ホーム(約36%)で最も多く、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームの順。通報者は親族(約25%)が最も多かった。

虐待がなくなることはないのかもしれませんが、
通報者として親族というカテゴリが最上位になることは望ましくありませんね。

2007年09月19日

コムスン譲渡先問題。混迷の三重と熊本にセントケア。試されるその手腕。

セントケアHD、三重と熊本のコムスン在宅系介護事業譲受で協議開始

 グッドウィル・グループ<4723.T>は19日、介護事業子会社コムスン(東京都港区)の在宅サービス事業のうち三重県と熊本県の事業をセントケア・ホールディング<2374.Q>に譲渡することで協議に入ったと発表した。

 第三者委員会から選定された事業法人との事業継承交渉が三重と熊本では不調に終わったため、新たにセントケアと交渉に入る。

 セントケアとグッドウィルは10日、宮城や静岡など12県の事業をセントケアが15億円で取得する契約を締結したと発表しており、交渉がまとまればセントケアは合計14県の事業を受け継ぐことになる。

昨日お伝えしたコムスン譲渡先問題で難航した三重と熊本
そこに名乗りを上げたのがセントケア。

セントケアは既に宮城、茨城など12自治体で譲渡を受けることが決定していますが
このふたつを加えることで14自治体での譲渡を受けることになります。
これで、ジャパンケアに譲渡された13自治体を上回り、
最も多くの自治体での譲渡を受けた企業となりました。

ただ、その内訳を見ると、大都市圏を中心に事業所数や従業員数、利用者数でも、
ジャパンケアが圧倒的に優位だと思われます。
セントケアが譲り受けた地域には、過疎地域も多く、
これをはずれクジと考える人も少なくないかもしれません。

そういった地域のニーズにどこまで対応できるのか、
赤字と従業員の負担を覚悟で介護難民を生まない事業展開を選ぶことができるのか。
ここからが試されるところですね。

2007年09月18日

コムスン譲渡先問題に異変!三重の事業者有限会社共栄も辞退。

コムスンの事業譲渡、三重県の業者も辞退

 介護大手コムスンの在宅介護事業譲渡で、第三者委員会から三重県の引受先に選定されていた共栄(四日市市、谷垣淳行社長)とコムスンの交渉が難航し、白紙の状態になっていることが18日分かった。条件面での交渉が不調に終わったためとみられる。

 コムスンは三重での交渉不調を受け、売却先を再選定する。近く選定にあたっていた第三者委員会が、三重県内の在宅介護事業引き受けに名乗りをあげていた共栄以外の事業者から候補を決定。売却先候補とコムスンが条件を詰め、正式に契約を結ぶことになる。

 共栄は2000年4月から三重県四日市市と鈴鹿市で在宅介護事業を展開。約250人が利用している。他の都道府県では同業大手が引受先になるケースが多い中、コムスンの県内利用者が約500人と小規模なこともあり、三重県では地元の共栄が選ばれた。

先日、熊本の事業者が辞退したのに続いて、今度は三重でも辞退。
大手事業者を中心に、すんなり譲渡が進められているように思えたコムスン譲渡先問題ですが、
ここにきて行き詰まりをみせています。

三重と熊本、このふたつに共通することは、
その他の都道府県の譲渡先となった大手事業者と違って、
どちらも地域に密着した地場産業型の介護事業者であるということ。
そして、どちらも買収するというには小規模であったこと。

譲渡額などの条件面で折り合いがつかなかったということが現実的な問題と考えられます。
熊本・三重、どちらにしても、人口規模としては特別大きいわけではありません(どちらも180万人台)。
利用者が散在し、非効率な土地で事業展開を行っていたコムスンの事業所は多く、
譲渡にかかる金額以上に、経営面でのリスクは大きなものと考えられます。
地域密着で展開している事業者がコムスンの事業を受け継いで、
そのサービスを維持していくというのは難しい面があるのかもしれません。
24時間巡回や、複数に組み合わさったサービス体系、過酷な労働環境、
それらを受け入れて事業を拡大することについての認識・覚悟ができていたのか。

地方のローカル局でこんな番組が放送されていたようで
譲渡先となった共栄のヘルパーステーションの戸惑いの様子が伝えられたようです。
見てた人いたらどんな内容だったか教えてください。

少なくとも、譲渡されたコムスンと共栄とが、譲渡によって共栄するというわけにはいかないような。

2007年09月17日

コムスン譲渡先問題、熊本で交渉決裂?熊進企画の辞退の理由。

コムスン在宅介護事業の譲渡、熊本県で辞退

 介護大手コムスンの在宅介護事業譲渡を巡り、第三者委員会から熊本県の引受先に選定されていた熊進企画(熊本市、麻生伸一社長)が辞退を通知していたことが16日分かった。条件面などでの交渉が不調に終わったためとみられる。コムスンの在宅介護事業の譲渡では45都道府県ですでに契約が結ばれたが、辞退は初めて。

 熊本県での辞退を受け、コムスン側は週内にも新たな引受先候補を選び、契約の交渉に入る。選定にあたった第三者委員会の事務局は委員の決めた基準に従って複数の候補を挙げていたもようで、近く2番目の候補を委員に提示。了承を得られ次第、正式決定するとみられる。

 熊進企画は14日に辞退を通知した。具体的な理由は明らかにしていない。麻生社長は16日、「利用者や職員の方々を安心させられなかったことには大変責任を感じている」と説明した。

コムスンの譲渡先問題で、このように交渉がまとまらなかったケースは初めてとなります。
ひとつ考えられることは、
熊本のこの事業者熊進企画は全国展開をしている大手事業者ではなく、地域に根ざした事業者で、
持っている事業所数も訪問系でひとつとデイサービスでふたつのようです。
訪問介護に関して言えば、65名の職員がいるものの、常勤換算にすると18名。
介護福祉士の数も3名。
規模だけを考えると、
県内に21箇所の事業所を構えたコムスンに比較すると、買収というイメージはまったく感じられません。

 関係者によると、譲渡額など様々な条件を決める際、熊進が求めた経営情報をコムスン側が十分には示さず、交渉が難航していた。また、正式契約前にコムスン従業員と接触することが禁じられていたのに、熊進が従業員と接触したことにコムスン側が反発したことも響いた。

やはり大きかったのは譲渡額に関する問題ではないかなと推測されます。
果たして、この交渉は白紙になってしまうのか。
利用者さんにとっては不安な日が続きそうです。

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