介護殺人未遂。裁判員の目にはどう映るのか?

裁判員裁判:家庭内介護どう考慮…山口地裁では即日結審

 寝たきりの妻を殺害しようとしたとして殺人未遂罪に問われた山口県周南市の無職、岩崎政司被告(63)の初公判が8日午後、山口地裁(向野剛裁判長)で開かれた。裁判員6人(男性4人、女性2人)のうち女性2人が発言した証人尋問や被告人質問を経て、検察側が懲役4年を求刑して即日結審した。判決は9日午後に言い渡される。
 検察側は冒頭陳述で、結婚約2年後の96年に妻の百合江さん(60)が脳出血で倒れて寝たきりになった経緯を説明。「介護による疲労から無理心中を決意した」などと指摘した。論告では、妻が厳罰を望んでいないことや自首したことなどを考慮したうえで「あまりに緩やかな処罰は同種の犯行を助長する恐れがある」と述べ、懲役4年を求刑した。
 弁護側は、岩崎被告の刑の減軽を求める近隣住民ら558人分の嘆願書などを証拠提出。弁論で「実刑は厳しすぎる。反省しており、社会内での更生は十分可能だ」と訴えた。
 審理では、被告が約13年間ほぼ1人で介護を続け、追い詰められた経緯が浮かんだ。被告人質問では弁護人の「妻はどういう存在か」との問いに「今でも好きです」と涙で声を詰まらせた。
 ◇「できるだけ人の手を借りて」…社会復帰後のやり取りも
 被告人質問では、女性裁判員の一人がこう尋ねた。「献身的に介護してきたことは分かったんですが、社会復帰した後、奥さんとの関係はどうなるんですか。先ほど(百合江さんは)介護施設に入っていて、自分のできるお世話はしたいということでしたが、それで間違いはないですね」
 これに対し、岩崎被告は「私が介護することはできませんから、女房は今の施設で一生生活をしてもらいたい。私は私で家で生きていきたい」と答えた。女性裁判員は「(被告は)性格的にあまり人にお頼りにならないということですから、できるだけ人の手を借りて社会復帰してもらいたいと思います」と語りかけ、岩崎被告も「頑張って前向きに生きていきたいと思います」と応じた。

判決がどのような結果になるのかにも注目していきたいと思います。
ただ、介護という問題が絡んだ事件が裁判員によって裁かれるケースも増えてくると思われます。
そこで、裁判員に介護についての制度や心理などの理解・知識があるかどうかも、
判決に少なからず影響を及ぼすはずです。
そういった意味では介護についての啓蒙がますます必要になりますよね。