平成30年介護報酬改定概要各サービスまとめ【居宅介護支援】医療との連携と管理者要件変更

平成30年介護報酬改定まとめ【居宅介護支援】

前回まで、介護報酬改定に関する審議報告の中から、
訪問介護通所介護についての主な変更点をまとめていますが、
今回は居宅介護支援・ケアマネジメントについての変更ポイントをお伝えします。

医療と介護の連携

医療と介護の連携の強化

医療と介護の連携の強化

ア 入院時における医療機関との連携促進
入院時における医療機関との連携を促進する観点から、以下の見直しを行う。
i 居宅介護支援の提供の開始に当たり、利用者等に対して、入院時に担当ケアマネジャーの氏名等を入院先医療機関に提供するよう依頼することを義務づける。
ii 入院時情報連携加算について、入院後3日以内の情報提供を新たに評価するとともに、情報提供の方法による差は設けないこととする。
iii より効果的な連携となるよう、入院時に医療機関が求める利用者の情報を様式例として示すこととする。

イ 退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関等との連携促進
退院・退所後の在宅生活への移行に向けた医療機関や介護保険施設等との連携を促進する観点から、退院・退所加算を以下のとおり見直す。
i 退院・退所時におけるケアプランの初回作成の手間を明確に評価する。
ii 医療機関等との連携回数に応じた評価とする。
iii 加えて、医療機関等におけるカンファレンスに参加した場合を上乗せで評価する。
また、退院・退所時にケアマネジャーが医療機関等から情報収集する際の聞き取り事項を整理した様式例について、退院・退所後に必要な事柄を充実させる等、必要な見直しを行うこととする。

ウ 平時からの医療機関との連携促進
i 利用者が医療系サービスの利用を希望している場合等は、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めることとされているが、この意見を求めた主治の医師等に対してケアプランを交付することを義務づける
ii 訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、ケアマネジャーから主治の医師等に必要な情報伝達を行うことを義務づける。

エ 医療機関等との総合的な連携の促進
医療・介護連携をさらに強化するため、特定事業所加算において、以下の全ての要件を満たす事業所を更に評価することとする。
(要件)
i 退院・退所加算を一定回数以上算定している事業所
ii III6②イに記載する末期の悪性腫瘍の利用者に係る頻回な利用者の状態変化等の把握等に対する評価に係る加算を一定回数以上算定している事業所
iii 特定事業所加算(I~III)のいずれかを算定している事業所
※ 平成31年度から施行する

入院時・退院時の連携加算についての取り決めが変更になります。
入院時の連携加算では、従来は実際にケアマネが足を運んで病院の担当者と面会したかどうかで報酬の額が変わっていましたが、
今回は入院後経過した日数で評価が変わるようになりました。
つまり、FAXでも直接訪問しても、情報を伝えるということに関しては同じ評価ということになりました。
退院時には多職種でのカンファレンスを行っていればそれが上乗せで評価されるようになります。
あと、退院時加算と初回加算は重複して請求できなかったのですが、それぞれの手間を評価するようになるとのことで、
ダブルで請求できるようになりそうです。まぁ、そりゃそうですよね。

また、どちらも様式例を示すということでしたので、それぞれ加算のために使っていた情報連携のための書式があると思われますが、
これも全国的に同じ書式に統一していくことになりそうです。

ターミナルケア加算

末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメント

ア ケアマネジメントプロセスの簡素化
著しい状態の変化を伴う末期の悪性腫瘍の利用者については、主治の医師等の助言を得ることを前提として、サービス担当者会議の招集を不要とすること等によりケアマネジメントプロセスを簡素化する。

イ 頻回な利用者の状態変化等の把握等に対する評価の創設
末期の悪性腫瘍の利用者又はその家族の同意を得た上で、主治の医師等の助言を得つつ、ターミナル期に通常よりも頻回な訪問により利用者の状態変化やサービス変更の必要性を把握するとともに、そこで把握した利用者の心身の状況等の情報を記録し、主治の医師等医や居宅サービス事業者へ提供した場合を新たに評価する。

実際、今の報酬体系だったら居宅介護支援事業所はターミナルの利用者なんて受けたがらないですよ。
月に一回定額報酬の居宅介護支援というサービスでは細く長く利用する方は経営的にもありがたいわけですが、
ターミナルケアの場合はケアプラン作成等の手間は変わらないどころか増えていくのに得られる報酬は数か月分。
訪問看護にはターミナルケア加算がありましたが居宅介護支援事業所にはありませんでした。
今回、ターミナルケア加算が加わりましたが、正直あまり点数自体は期待できないような気がします。

質の高いケアマネジメント?

質の高いケアマネジメントの推進

質の高いケアマネジメントの推進

ア 管理者要件の見直し
居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進するため、主任ケアマネジャーであることを管理者の要件とする。その際、一定の経過措置期間を設けることとする。
イ 地域における人材育成を行う事業者に対する評価
特定事業所加算について、他法人が運営する居宅介護支援事業所への支援を行う事業所など、地域のケアマネジメント機能を向上させる取組を評価することとする。

管理者資格の見直しについては以前にも掲載しました。
管理者が主任ケアマネになったからって質が高いケアマネジメントができるのか?
何が許せないかって、これを提案したのが日本ケアマネ協会
居宅介護支援事業所の削減を日本ケアマネ協会が主導するという。こんな団体ありますか?

公正中立なケアマネジメントの確保

公正中立なケアマネジメントの確保

ア 契約時の説明等
利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため、利用者やその家族に対して、利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について、複数の事業所の紹介を求めることが可能であること等(当該事業所をケアプランに位置付けた理由を求めることが可能であること)を説明することを義務づけ、これらに違反した場合は報酬を減額する。
なお、例えば、集合住宅居住者において、特定の事業者のサービス利用が入居条件とされ、利用者の意思、アセスメント等を勘案せずに、利用者にとって適切なケアプ
ランの作成が行われていない実態があるとの指摘も踏まえ、利用者の意思に反して、集合住宅と同一敷地内等の居宅サービス事業所のみをケアプランに位置付けることは適切ではないことを明確化する。

イ 特定事業所集中減算の対象サービスの見直し
特定事業所集中減算について、請求事業所数の少ないサービスや、主治の医師等の指示により利用するサービス提供事業所が決まる医療系サービスは対象サービスから除外する。なお、福祉用具貸与については、事業所数にかかわらずサービスを集中させることも可能であることから対象とし、具体的には、訪問介護、通所介護及び福祉用具貸与を対象とすることとする。

公正中立なケアマネジメントということで、いわゆる特定事業所集中減算の件です。
これは会計監査院でも効果不十分で見直しを検討すべきと指摘があったわけですが、
それでもなお訪問介護・通所介護・福祉用具貸与に関しては集中減算が残されることになりました。
あきらかに厚生労働省や財務省がどのサービス種別を叩いていきたいかがはっきりわかりますけど、ここまであからさまにする必要があるのかと。
ケアマネは複数事業所の紹介を求めることが可能であることを説明するように義務付けられることになりましたが、おそらく契約書に一文追加するだけで終わるでしょう。

訪問回数の多い利用者への対応

訪問回数の多い利用者への対応

訪問回数の多いケアプランについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが適当であり、ケアマネジャーが、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数(※)の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする。
(※)「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成30年4月に国が定め、6ヶ月の周知期間を設けて10月から施行する。

イ 地域ケア会議の機能として、届け出られたケアプランの検証を位置付け、市町村は地域ケア会議の開催等により、届け出られたケアプランの検証を行うこととする。また市町村は、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。

訪問回数の多い利用者というから、ケアマネが頻回に訪問しなければいけない(こまった)利用者に対して、
ケアマネの負担が大きいことから後方支援をしてくれるのかと思いきや、
生活援助のサービスの使い過ぎを抑制するというもので、それがプランとして必要な場合は市町村にケアマネが届け出ると。
なんだ、給付費抑制のコマとしてケアマネの負担を増やしているのか。

障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携

障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携

障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合等における、ケアマネジャーと障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携を促進するため、指定居宅介護事業者が特定相談支援事業者との連携に努める必要がある旨を明確にする。

訪問介護や通所介護でも、共生型介護の指定について書かれていましたが、
居宅介護支援事業所は障害分野の計画相談支援の事業所との間で共生型介護のように横断的になることはないようですね。
ケアマネという資格制度ではないので、それぞれの領域から連携をするという内容にとどまっています。

まとめ

居宅介護支援事業所に関しては大きな変更点をまとめると、

医療との連携を入院時・退院時・平常時にも
ターミナルケア加算をつくります
管理者は主任ケアマネに限定します(経過措置3年)
特定事業所集中減算は訪問介護・通所介護・福祉用具貸与だけは残します
障害の相談支援専門員ともきちんと連携しましょう

居宅介護支援に関して、今回の報酬改定で最大の注目ポイントはケアマネジメントに自己負担を導入するかという問題でした。
今回の導入は見送られましたが、また次回改定の議論の際にはこの問題が間違いなく浮上してくるかと思います。
ケアマネはそれに対して、公正中立なケアマネジメントを実施し、自立支援を支えている存在だと胸を張って言えるような業務をしていかなければいけないですよね。