特養入居者が夜勤中の介護職員の左胸をハサミで刺す、という恐怖。介護職員が身を守るために

特養の入居者が夜勤中の介護職員の左胸をハサミで刺す

介護福祉士をハサミで刺した疑い 入居者の87歳男逮捕

 群馬県高崎市の特別養護老人ホームで介護福祉士の女性(23)をハサミで刺したとして、県警は16日、入居者の無職の男(87)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「俺はやっていない」と容疑を否認しているという。

 高崎署によると、男は16日午前5時55分ごろ、高崎市新町の「花みづき寮」のリビングで、夜勤中の女性の左胸をハサミ(刃渡り8・3センチ)で刺し、殺害しようとした疑いがある。女性は1週間の軽傷。

 施設を管理運営する社会福祉法人の幹部によると、男は4月に入居し、重度の認知症があり、以前から脱走や暴力行為があった。男と女性の間に特にトラブルはなかったという。

考えるだけでも恐ろしい事件です。
夜勤中に、男性利用者がハサミをもって職員の左胸を刺しているのです。
一週間の軽傷で済んでいるようですが、ただ、その職員の心にはどれだけの恐怖が植え付けられたのか、
想像を絶するものだと思われます。

この件に関して、特別養護老人ホーム花みづき寮を運営する社会福祉法人しんまち元気会では
ホームページ上に事故報告文として以下のような文章をアップしています。

当施設職員に対する刺傷事故発生について

前略

皆様方には時下益々ご清祥のことと拝察申し上げます。
さて、既にマスコミ等において概報の通り、花みづき寮に入所中・重度認知症の入居者の方が、当施設の夜勤中の
職員に対して怪我を負わせるという事故が発生いたしました。
皆様方各位に対しましては、この度の事故発生にあたり、大変ご迷惑とご心配をおかけしましたことを、まずもって深謝いたします。
日頃より入居者・職員等の安全管理には十分な注意を払い運営している所ですが、想定外の事態の発生に当惑もしている次第です。
現時点における状況把握としては、認知症による被害妄想が加害事故の発端と推定されます。
当施設といたしましては、今般の事故発生を厳粛に受け止め、早急に事故防止体制の見直しと強化に努め、
再発防止に尽力して参りたいと思います。
本来ならば拝眉の上、ご説明申し上げるべきところではございますが、取り急ぎ書面をもってお詫びとご報告を申し上げます。

入居したのが4月ということで、まだ一か月前後。
その短い期間にも脱走や暴力行為があったという記事の内容からみると、
かなり不穏な状態にあったことが読み取れます。

ハサミなど刃物を利用者が手にできる場所に置いておいたということは、
やはり注意配慮が欠けていたとも考えられます。

しかし、こういった利用者からの暴力に対し、
職員はどう対処していったらいいのでしょうか。

人手の手薄な夜勤の時間帯、手に凶器を持った利用者。

これまでもこのような事件もありました。

今回の事件は特別養護老人ホームで起きましたが、在宅でも起こりうる事態です。

介護職員という仕事がリスクとも隣りあわせの業務であることを十分に周知していくことも大事ですし、
また、それだけの業務をしていることに対する報酬として現行の介護報酬が本当に適正なのかを
考えてもらいたいと思っています。

また、職員に対してだけではなく、
入居者が入居者に対して暴行し、殺害するというケースもあります。

介護職員は命を預かる仕事であり、命を護る仕事でもあります。
また、そのためにも自分自身の身を護ることも、介護のプロフェッショナルとして必要な要素です。