東京の特養、人手不足に追い打ちをかける介護報酬改定。

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東京の特養、深刻な人材不足が常態化- ショートやユニット閉鎖、受入抑制も

 「人材が確保できないため、併設していたショートステイを閉鎖した」「人手が足りないため、入居者の受け入れを制限せざるを得ない」―。昨年末、東京都社会福祉協議会の東京都高齢者福祉施設協議会は都内の特別養護老人ホーム(特養)を対象に介護人材不足などをテーマとした緊急調査を実施した。調査には、半数近くの特養が計画通りに職員が配置できていなかったり、人手が足りない状態が半年以上続いている施設が80施設余りあったりするなど、深刻な人材不足が特養で常態化し、介護の質をもむしばんでいることを示す数字が集まった。

 東京都高齢者福祉施設協議会では昨年12月、同会に加入する特養445施設を対象にファクスによる緊急調査を実施。305施設から有効回答を得た。

 「現在、介護職員の人数は充足しているか」との問いに対し、「指定基準も、施設が計画上定める基準も満たしている」と回答した特養は47.2%で、半分に達しなかった。一方、人員に関する基準を満たせていないという回答は47.5%となった。このうち指定基準の人員を満たせていないと回答した特養も9施設あったという。

 また、人員不足を感じている施設に対し、不足する人数を尋ねたところ、「1―3人」が60.0%で最も多く、以下は「4―6人」(30.3%)、「7―9人」(6.2%)などとなった。さらに、人員が不足している期間を尋ねた質問では、「6か月以上」が44.8%で最も多かった。

 人員不足の対策として最も多かったのは(複数回答)、「派遣職員の雇用」の68.3%。次いで多かったのは「求職者面接会の開催、参加」(55.9%)だった。その次に多かったのは「施設内行事の中止、制限等」(19.3%)で、人員不足がサービスの質に影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなった。さらに「ショートステイを閉鎖」(2施設)、「入居抑制」(9施設)、「ユニットの閉鎖」(3施設)など、人員不足がサービスの存続にも影響する例が出始めていることも明らかになった。

■マイナス改定、「介護人材確保に悪い影響」が96%超

 人員不足を解消するための有効な手段について複数回答で尋ねた質問では、「給与などの処遇改善」(84.3%)が最多で、以下は「介護報酬地域加算の上乗せ割合の引き上げ」(76.1%)、「キャリアアップ制度構築 」(45.6%)、「介護の仕事のイメージアップのための取組み」(44.9%)、「無資格者の雇用」(43.3%)などの順となった。今年4月の介護報酬改定が減額改定となった場合の介護人材確保への影響について尋ねた質問では、83.6%の事業所が「たいへん悪い影響がある」と回答。「やや悪い影響がある」(13.1%)と合わせると96.7%の事業所が、報酬削減は介護人材確保に悪い影響をもたらすと答えた。

 調査結果について、東京都高齢者福祉施設協議会は「東京の介護職の有効求人倍率が、他業種に比べて倍ほどの高さであることを考えても、東京の特養では、深刻な人材不足が常態化し、サービスの質や維持にまで影響を及ぼしているのは間違いない」としている。

東京の介護人材不足は深刻です。
東京都高齢者福祉施設協議会がサービスの質に影響が出ていることを認めているのですからね。
地域区分を見直すことも当然必要になってくるでしょうが、報酬が減額になれば地域区分の見直しや処遇改善加算も焼け石に水。

地方から進出してきた社会福祉法人が東京で特養を開設したものの、人材確保が進まず、予定通りにオープンできないというケースも多いようです。

そんな状況でありながらも、こんな記事も。

特養定員、1.5倍拡大=長期ビジョン公表-東京都

 東京都は25日、2015年度から、おおむね10年間で取り組む施策を盛り込んだ「長期ビジョン」を発表した。急速な高齢化に対応し、25年度末の特別養護老人ホームの定員を13年度末の約1.5倍の6万人とする目標を明示。20年東京五輪・パラリンピックに向け、外国人観光客の受け入れ態勢の強化も打ち出した。
 長期ビジョンは舛添要一知事が掲げる「世界一の都市・東京」を実現するため、計367項目の施策を列挙。9月にまとめた中間報告案に都民の意見などを反映させて最終決定した。
 都は、25年に都民の4人に1人が65歳以上の高齢者になると予測。これを踏まえ高齢化対策では、高齢者向けの施設整備の加速を掲げた。入所待機者の多い特養の定員増のほか、認知症高齢者グループホームの定員を約2.3倍の2万人とし、サービス付き高齢者向け住宅も約2倍の2万8000戸確保する。

そもそも、現状で人材確保できていない状況でそんな長期ビジョンを実現できるのか。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。

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