審査会を通さず勝手に要介護認定。要介護認定システムへの信頼は?

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審査会経ず介護認定 秋田市

 秋田市は10日、介護認定に必要な専門家による審査会の判定を経ずに、勝手に要介護認定をし、申請者に通知していたと発表した。担当職員2人は事務処理の遅れから独断で行ったといい、発覚した不適切処理は495件に上った。市は今後、該当する申請者に直接謝罪するとともに、3月中旬までに認定をやり直すとしている。
 同市によると、要介護認定の申請を受けた場合、市介護・高齢福祉課の担当職員が訪問調査などに基づいてコンピューターソフトによる1次判定を行う。その結果と主治医による意見書などをもとに、医師やケアマネージャーら専門家5人で構成する「介護認定審査会」が2次判定を行い、要介護度を決め、申請者に通知する。認定審査会による審査は、介護保険法で定められている。
 不適切処理を行っていたのは、同課の40歳代と50歳代の男性主席主査で、昨年8月から今年1月にかけ、審査会を経ていない認定結果495件をコンピューターに入力し、通知書を作っていた。
 不適切処理された申請の内訳は新規148、要介護度の区分変更41、要支援者新規31、認定の有効期限更新275件。主席主査らが、過去の審査会の結果などを基に1次判定結果を変更して通知したケースも110件あったという。
 不適切処理は今月8日、処理件数が多いことを不審に思った別の職員の指摘で発覚した。市によると、今年度は申請数が予想を上回る状況で処理が大幅に滞っていたといい、2人は「早く認定しなければいけないという焦りがあった」と釈明しているという。
 記者会見した穂積志市長は「介護保険制度の根幹を揺るがす許し難い行為で、関係者には深くおわびしたい」と謝罪した。

「早く認定しなければいけないという焦りがあった」ということですが、
確かに認定は申請から一ヶ月以上かかるのは当たり前で、
下手したら二ヶ月たっても認定が下りないケースもあります。
もう少し焦っていただきたいというか危機感を持ってほしいのはこちらの言い分としてもありますが、
だからといって審査会も経ずに担当職員の独断で認定をしてしまうというのは
恐ろしいことですね。
で、たぶん、焦りだけではないんだろうなと思われる点として、
一時判定結果を変更したケースが110件もあったということで、
どう変更したのかはわかりませんが、そこにはまったく根拠がないわけですよね。
どんな処分になるのかわかりませんが、
やっぱりこの要介護認定というシステムそのものに問題があるように思います。
この担当職員が「過去の審査会の結果」から、変更していったということは、
この市町村での審査会の内容はある程度
こういうケースにはこう変更する、というような暗黙のルールがあり、
それに沿って認定していれば審査会は必要ないという思いが
担当職員の中にもひょっとしたらあったのかもしれません。
たぶん、3月中旬までにやり直すという認定は
ほとんど同じ結果になって返ってくるでしょうね。
だったら、
認定審査会は本当に必要なのか、
主治医の意見書は本当に必要なのか、
そもそも要介護認定は本当に必要なのか、
もう一度考え直してもらうひとつのきっかけになればと思うのですが。

記事編集・監修

 

介護福祉ウェブ制作ウェルコネクト

居宅介護支援事業所管理者・地域包括支援センター職員・障碍者施設相談員など相談業務を行う。

現在はキャリアを生かした介護に関するライティングや介護業界に特化したウェブ制作業を行う。