ニチイ、コムスン、ジャパンケアの介護報酬不正請求疑惑。訪問介護事業所と東京都。

ニチイ学館など2社も介護報酬過大請求 都が返還指導

 介護報酬の不正請求問題で、訪問介護大手の「ニチイ学館」(東京都千代田区)と「ジャパンケアサービス」(豊島区)でも、ヘルパーが介護保険法で定めた人員通りに配置されず、介護報酬も過大に請求されていたことが都の調査で分かった。都は2社に適正な人員配置を求める改善勧告を出すとともに、過大請求分を、介護報酬を支払った市区町村に返還するよう指導した。
 都によると、2社では都内の訪問介護事業所で、ヘルパーが法定の人数を満たさなかったり、常勤の管理者がいなかったりするケースが見つかった。介護保険の対象にならないサービスで介護報酬を請求したり、介護時間を水増ししたりする過大請求も発覚。都は、自主的に不適正な請求分を計算して各自治体に返すよう指導した。ニチイはすでに約4100万円を返還。ジャパンケアサービスは返還金の試算を進めている。
 同様の問題は、すでに訪問介護最大手で人材派遣業「グッドウィル・グループ(GWG)」の「コムスン」(東京都港区)でも発覚。都によると、コムスンでは04~05年にかけて、葛飾区や中央区など都内3カ所の事業所で、必要なヘルパーの人数が確保できていないのに、都に確保できたかのように届け出書類を提出。事業所の指定を受けた後も人員を確保できないまま事業を続け、約4300万円を不正に請求していたとされる。
 GWGの広報IR部は「今回の改善勧告を真摯(しんし)に受け止め、改善に全力を尽くします」、ニチイ学館広報室は「指摘を真摯に受け止め、深く反省するとともに、適切な事業所運営を目指していきます」とコメント。ジャパンケアサービスの担当役員は「人員不足は改善した。今後、管理を徹底します」と話した。
 都は大手3社でこうした実態が発覚したことを重視。同様の事例が業界で起こらないよう、訪問介護事業者の46社を12日に集め、再発防止に向けた説明会を開く。

ニチイ学館、コムスン、ジャパンケアと、いずれも在宅介護業界のトップランナーです。
それが、一斉に改善勧告・返還指導されたというのは、
在宅介護業界に大きなショックとなるでしょう。
不正請求といえども、サービスを提供したということに関しては事実であって、
事業所の職員の配置基準を満たさなかったり、サービス提供責任者が不在だったといったものが主なわけで、
これに対して返還指導というのは、いささか厳しいという感じもします。
サービスの提供時間の水増しや介護保険の対象でないサービスの提供というのも、
介護保険の改正に伴い、軽度利用者への家事サービスが制限されたことによる影響もあるのではないかと暗に推測されます。
今回改善要請を受けた3社以外の在宅介護企業各社にも大きな影響を与えかねないですね。
そして、東京都のこの厳しい姿勢が、地方にも飛び火する可能性があります。
サービス提供の絶対量が少ない地域も同じような基準で改善要請や返還指導があったら、
在宅介護が成り立たなくなる地域も出てくるかもしれませんね。
介護報酬の削減、圧倒的な人材不足、行政による指導・・・。
昨年末に予感された在宅介護業界への逆風は、いよいよ現実的なものとなっています。
そんな逆風の中、いよいよ介護事業者のコンプライアンスが問われます。
既に4100万円の返還指導に応じたリーディングカンパニーのニチイ学館はさすがというところですが、
いずれにせよ、今後の展開に注目ですね。